布団の中で 薄っすらと目が覚めて
それは 喜びや 哀しみの感情はなく
特別暑くもない また 特別寒くもない朝
暫し 夕べあった事を思い出す
あゝ 、然程 押し付けられる様な想いは無い
昨日は何をしていたかしら
はて 、今日は何曜日だったかしら
半日半日と 記憶を辿ってゆく
そうか 、昨日はあのホールへ出掛けた日だわ
さて 、それなら今は何時なのかしら
のそのそと 自分の部屋から起きて出てみた
家の中には誰かがいるだろう 少しの物音が聞こえる
広い部屋には食事の用意がされてある
今朝はどんなパンをいただこうかしら
あたりを見てすぐに食べれるパンは無さそうで
冷凍庫にでも探せばパンがあるのは知っているが
いささか面倒に想い 誰かに貰った佐賀のタマゴボウロ
お腹も空いてる訳でもない
野菜ジュースと タマゴボウロを食べるとする
一人 窓の外を眺めて食事をするのはいつも
急がず 自分のペースで過ごしている
時々 、今までなら気にならないモノが
硬い とか スジらしきモノは不快に感じたりする
それでも 一人でいるよりは有難い
イロイロ出来なくなって来て 情けないわ
成る可く 自分のことは自分でやらなきゃ
余計な心配かける訳にいかないし
世話になってるんだから
っていうおばばの 背中を見ると まぁるくなって
可哀想な印象を受けるの
お喋りが大好きで 人が大好きで 一人は淋しくて
それでいておばばは シツコイから嫌われて敬遠される
実娘さんからも鬱陶しくいわれて
年老いた実母を心配する事なく生活する娘もどうかと思うが
お金を渡せば人は寄ってくるという思考に
いつからか侵されたおばば
年寄りからお金を取ろうと遠慮をしない実娘
お金があるならあげればイイじゃないの
お金がほしいなら貰えばイイじゃないの
お互いあるしほしい同士イイじゃないの
お金もいらない
お世話もしない
嘘か真かホントかウソか
そういうふうに ワタシはなりたい
