高速教習

雨

　風

　　高速

　　　　そんな、殺生な…。


私、雨の日の教習、２回目なんですよね。

ＡＴ車も。

高速？もちろん初めてですよ？

この教官もまた、はじめまして。

一緒に授業受ける子も、はじめまして。


で、なにより、この風。


「今日は高速を走ってもらうわけですけど、ねっ、

　ま、こんな天気なんで、ねっ、かなり集中して運転してください。ねっ」

先に運転するか、後で運転するか、ジャンケンで決めろということで。

最初はgoo！ジャンケンホイ！

最初はグーのジャンケンの場合、続けてグーを出すこと。

これ、鉄則。

えぇ、出しました。勝ちました。

でも私はお姉さん。

「どっちがいい？」と聞きました。

「どっちでもいいです」と女子高生。

知ってるんです。

みんな２番目がすきなこと。

「じゃ、私、先乗るね」


快適なオートマチックで高速にｉｎ!!!


「スピードが速くなると、ねっ、風の影響をもろに受けるんで、ねっ、

　ハンドル操作のほう、ねっ、しっかりしてください。ねっ」


はいよっ。


ブ────────ン

変な音。

白線の上を走っているから。

「なるほど。今のが風の影響ですね」

「いや、今のはあなたの操作ミスです。50km/hでは飛ばされないですから」

ああ言えば上祐。

とはいうものの、特に問題なく終了。


女子高生と交代。

しゃべらない女子高生。

高速はなんのトラブルもないので退屈です。

しかたなく、会話を提供。


「私さぁ、まえ、原付で下り坂を走っとるとき、いきなり突風が吹いてさぁ、

　『わっ』って思った瞬間、歩道を走っとったことがあるねーん。

　でもな、この話、『絶対ウソー』とか言われるんよねぇ。

　でも、コレほんまでさぁ。怖いよね、風って。」

「でも、さっきのは風じゃないですよ」と教官。


はぁ…、盛り上がらん。