私の周りをチョロチョロ走り回っている犬がいる。
あ、違う。
犬のような女の子がいる。
彼女と出会ったのは8年前。
私が今も働いている店に、
友人に連れられて遊びにきた。
彼女はとても整った顔立ちをしていた。
初めて見たときは興奮してしまい、
つい、「写メ撮らせて」と言ってしまったくらいだ。
人見知りが激しいらしく、
しゃべりもしなければ笑いもしない、
ただ友人の影に隠れてこちらを見ていた。
初対面の翌日、また彼女は遊びにきた。
ラッピングもなにもしていない貧相なケーキを持って。
「...S井が作ったんです!!」
「S井ってのはアナタ?かわいいね、写メ撮らせて」
その後も頻繁にS井は店にやってきた。
人見知りも解け、オーナー夫妻ともスタッフとも親しくなり、
お店の手伝いまでするようになっていった。
S井はうちの店の近くのレストランで働いていた。
仕事の前後にやってきては小話をし、帰っていく日も少なくない。
そんな日々が続いたある日。
その日もS井は遊びに来ていた。
そこに中年男性がやってきた。
男はS井に話しかけた。
「君はここの人?」
「ここの人ではない...」
「車にカメラあるねんけど、写真撮らせてもらってもいい?」
実はこの男、以前私も接客をしたことのある人だった。
そのときは、
「車にテレビ積んでるねんけど、一緒に見ない?」
だった。
怪しい。
「この子、写真撮られるのキライなんですよー」
なんとかその場はフォローしたが、
男に、S井は美しすぎた。
男はうちの店とS井が働いているレストランを行き来するようになった。
レストランでもそれが少し問題になり、
店長が入店を拒否し、男が暴れ、
警察沙汰になったこともあった。
その状況を見ていたうちの店のオーナー。
男が店に入ってくるやいなや、
「もう来んといてくれ」
「あなたはS井さんの何なんですか!?」
「S井は僕の娘や!!」
S井「...オーナー...」
メメ「プププー!娘やて!自分の娘のこと名字で呼ぶかー?」
感動の瞬間、
台無しにしてしまいましたわ。
あ、違う。
犬のような女の子がいる。
彼女と出会ったのは8年前。
私が今も働いている店に、
友人に連れられて遊びにきた。
彼女はとても整った顔立ちをしていた。
初めて見たときは興奮してしまい、
つい、「写メ撮らせて」と言ってしまったくらいだ。
人見知りが激しいらしく、
しゃべりもしなければ笑いもしない、
ただ友人の影に隠れてこちらを見ていた。
初対面の翌日、また彼女は遊びにきた。
ラッピングもなにもしていない貧相なケーキを持って。
「...S井が作ったんです!!」
「S井ってのはアナタ?かわいいね、写メ撮らせて」
その後も頻繁にS井は店にやってきた。
人見知りも解け、オーナー夫妻ともスタッフとも親しくなり、
お店の手伝いまでするようになっていった。
S井はうちの店の近くのレストランで働いていた。
仕事の前後にやってきては小話をし、帰っていく日も少なくない。
そんな日々が続いたある日。
その日もS井は遊びに来ていた。
そこに中年男性がやってきた。
男はS井に話しかけた。
「君はここの人?」
「ここの人ではない...」
「車にカメラあるねんけど、写真撮らせてもらってもいい?」
実はこの男、以前私も接客をしたことのある人だった。
そのときは、
「車にテレビ積んでるねんけど、一緒に見ない?」
だった。
怪しい。
「この子、写真撮られるのキライなんですよー」
なんとかその場はフォローしたが、
男に、S井は美しすぎた。
男はうちの店とS井が働いているレストランを行き来するようになった。
レストランでもそれが少し問題になり、
店長が入店を拒否し、男が暴れ、
警察沙汰になったこともあった。
その状況を見ていたうちの店のオーナー。
男が店に入ってくるやいなや、
「もう来んといてくれ」
「あなたはS井さんの何なんですか!?」
「S井は僕の娘や!!」
S井「...オーナー...」
メメ「プププー!娘やて!自分の娘のこと名字で呼ぶかー?」
感動の瞬間、
台無しにしてしまいましたわ。