名前のハナシ

私の本名は、

「笑う子」と書いて、

「えみこ」


誰がつけたか知らんけど、

なんてかわいい名前。


でもな、

イマドキじゃないねんよな。


しゃーないねんで？

私も今年30歳になるんやし？

名前に『子』が付いててもおかしくないねん。


こないだ飲み会でな、

私より10歳ほど下の女の子がおったんやわ。


ほとんど男性だらけの飲み会でな、

いつもなら私は華になれるはずの飲み会やのに、

私程度の華じゃ物足りん人が多かったらしく、

その女子が呼ばれたワケ。


その女の名前は、


『セナ』


なにがセナじゃ。

Ｆ１レーサーか。


隣のテーブルにセナ。

こっちのテーブルは私。


こっちのテーブル、

やたら隣のテーブルの会話に参加しようとすんねん。


どーしてー？


しゃーないから私はセナ役をやってやろうと、

役不足だわと思いながらも、セナのマネしてん。


セナが髪をくくっとったから、

私もくくってみたし、

セナが釜飯をみんなの分取り分けよったから、

私も取り分けたし、

セナったらうっかり釜飯の米粒を指につけちゃって、パクッと食べたから、

私もうっかり釜飯の米粒を指につけて食べた。


二次会もセナのテーブルは大賑わい。

私のテーブルはオッサンばっかり。


どんまーい。


メメ「なんなんよなぁ、みんなあっち行ってもて。
セナがいったいどんなおもしろい話をしてくれるってゆうんやろうな！
みんなセナちゃんセナちゃんゆうて。
名前がずるいわ。セナて。覚えやすいし呼びやすいしさぁ。
『笑う子』で『えみこ』もかわいいやんなぁ？」


オッサン「あ、オレのオカンと同じ名前や」


オマエのオカンいくつやねん。