クレモナ カルテット

カルテットとは1つの楽器を創ること

 私がカルテット製作に興味を持っていることを知った職人仲間から
「ちょうどカルテットを製作中だから見においで」とお声をかけて頂きました。
もう何セットも製作しておられる大ベテランです。

色々と名言を聞くことができたので一部をご紹介します。

『今日の自分(の製作技術)は明日の自分(の製作技術)とは違うので
1台仕上げてから、次の作品ではなく、かならず4台とも同時進行で製作することが重要である。』

例えばパフリングも1台の楽器だと

    写真は製作中のビオラ42cmです。
まずパフリングナイフでデザインをします。

溝を彫って、次に職人にとって腕の見せ所となるパフリングとパフリングが合わさるポイントをフリーハンドで形成します。

 
同じスタイル統一したものを表板・裏板計8個作ります。
これがカルテットとなるとその数は4倍になり32個です。同じようにコピーしたものを32個ではなく、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロとそれぞれの大きさに合ったバランスでの製作です。技術と知恵の結集です。

もちろん、製作の美的な面だけでなく、音響面でも全力で向かいます。

カルテットの演奏を聴いていると、どうしてもハーモニーが溶け合わない楽器がしばしあります。
音程が間違っているわけでもなく、カルテットを演奏するにはやはり他の楽器との相性も大切な要素です。
そうならないように、
『カルテットとは4台の楽器を作ることではなく、1つの楽器を創ることである』と熱く語ってくれました。
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