櫻井郁也ダンスブログ Dance and Art by Sakurai Ikuya/CROSS SECTION

◉新作ダンス公演2024年7/13〜14 ◉コンテンポラリーダンス、舞踏、オイリュトミー

ソロダンス公演『ひかり-not here』11/1~2:作業経過2

2013-10-15 | 公演写真&記録(国内) dance works in JP(photo etc)

11月1~2の新作公演、リハーサルが進んでいます。作業日記の一部を。
(長くなるといけないので何回かにわけてアップします。)



稽古場に人が立ち会う段階にきている。
踊りを見せた直後の空気は、作品の状態を如実に感じさせる。

今回、踊りの終わったあとに、ピンと張った空気がある。残響のように。

じっと見つめていた視線が対話にむけて緩んでゆく、その時間が、ずいぶん今迄と違う。

節目の作品になるのでは……。



踊りが変わってきた。という言葉をもらう。

どんどん変わりたい。
変われば変わるほど、一貫して不変のものも試されるから。

変化流動の良さと同時に、ずっと変わらない事の良さ。
ダンスには、その二面性が太陽と月みたいに、互いに働きあっているのでは、と、今回の公演稽古のなかで感じてならない。

変化するものに対して、定まって確かなもの。
例えば、心が翼を羽ばたかせたくても肉体が確かに定まっていないと、その奔放さを発揮できない。
肉体が変化してゆく時、心がどっしり座っていないと受け止めることができない。

動は静とひとつ。
光は闇とひとつ。



身体。

「私たちは星の欠片でできています。」

そう書いたのは生物学の柳澤桂子氏だが、その言葉が、スッと呑み込めるようになったのは、もとより生は死をたずさえてある、というその当然を心臓に突きつけた、あの震災から。

目まぐるしい変化の背後に隠されている、不変の何か、確かな何か、意識の底に眠る何か、血の記憶としての何か。
僕ら人の基盤というか、核というか。そんな何かを、探す。それこそダンスの作業じゃないかしら。と思うように、なった。

思えば、身体は自然の一つ。その内部には火も風も狂う。昔の人は宇宙そのものに例えて、ミクロコスモスと呼んだくらいだから。だだっ広い。未知だ。

血の声、遺伝子の声、細胞の彼方の未知の声。

きいてみたい。愚直に、かつ、センシティブに。

そんな欲望が、今回、蓋を開けたかもしれない。

(つづく)

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公演info.
櫻井郁也・公演サイト
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