新作ソロ、本番まで残り3週間。連日の稽古や議論のなかで、ダンス公演というものについて、繰り返し考えさせられています。
今回のチラシ(↓)には、久々にイメージ写真を用いました。稽古プロセスをスタッフが見て試作したもので、言わば中間地点のビジョンですが、これがまた一つのキッカケになって僕自身も作品もかなりの変化を続けています。この月末の2回の本番で、どのようになるか、まだ想像がつきません。
裏面(↑)は過去作と現在をつなぐ意味で前回公演の記録写真から選びましたが、この数年のチラシは表に前作写真を使って舞台と舞台の連続性を示唆していましたから、今回は少し変えたわけです。
前作は昨年上演しましたが、これはコロナ以前に創作を開始し自粛による二度の上演中止を経て再構築したものでした。対して、今回の作品『やがて、、、(タトエバ切ラレタ髪ノ時間ト)』英題 ”WITH TIME" は、コロナ禍を経験し始めてから発想した作品です。それゆえ、コロナ以前には無かったイメージや身体感覚や空間が作品の核を形成していて、そこには何かしらの大きな変化が出てくるのではないかと、稽古を進めながら予感しています。これは僕のダンスが新しいタームに入ってゆくのではないかという予感でもあります。
また、上演の場についての感覚も、変わったと思います。まず一つは、社会状況に対する認識。次に「対面」とか「ナマ」ということの重みが、やはり大きくなっているということ。これらの点は、非常に大きいと思います。
今回の作品は、公演サイトに書いたように、僕自身の過去の記憶と目下の世界に対する眼差しが絡まって非常に大きな舞踊衝動になっているのですが、加えて、現況での現場感覚、ライブの場で生まれる瞬間瞬間というものに対する皮膚感覚が、本番では、かなり大きな要素になると思っています。
イメージはいつも一瞬一瞬の時間と運動感覚が絡まり合って生まれます。だからこそ一回一回のステージの「1回」という意味の重みがあるのだと思います。同じものを何回も見ることができるものとは極端な違いがダンスにはあります。同じ作品でありながら日々生まれ変わっていなければダンスという感じが、どうもしない。そのあたりのことを、今回の作品ではよく体験してみたいと思っています。
ふと思うのですが、ダンス作品は、人生の断片から膨らんでゆくのですから、作品というのは常に新しく常に現在でありながら過去や未来に深く関わろうとする、連続と非連続の重なりであり、矛盾や未知の要素を含んだまま訪れてくるもの、あるいは、生成される時間のカタチなのかもしれません。
さて、どんな作品が、どんな現場が、生まれるのか。
本番までひたすら変化し続けたいと思います。
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