他者の体を受け止めて、
他者に体を受け止められて、
体は変化してゆく。
新作の振付を進めながら、そんな言葉を思い出した。2020年の秋に、自らここに書いた。(全文)
大抵のことは忘れてしまうから、あちこちに書く。このブログもその一つだし、持ち合わせの紙切れに書いたものも数知れず溜まっている。体の奥にも溜まっているのか、忘れたつもりの何かを、踊りの作品をこしらえていると平手打ちのようにパンっと思い出すことがある。
「からだ」という言葉には、ちから、とか、あらわれ、とか、うまれ、という現象に連なるいろんなものが渦をなしているような、そんなふうに僕は「からだ」という言葉のことを幻想することがある
とも、そこに書いてあるが、体というのは同時に古い箪笥のような場所でもあると、思う。自ら発想しながら仕舞い込まれ発話に至らぬ言葉や、指先からこぼれたまま楽譜にも書き留めていない音列、ドストエフスキーや川端の階段を降りかけた足の湿り気、それらが迷宮化したまま体の抽斗や蝶番に封印されて、筋肉や骨と一緒に次第に衰弱したり結晶化したりしていて、それらを熱しほどくような手順が、作品なるものの工程には含まれているのかもしれない、と思う。やはり、面白い。
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Stage info.
櫻井郁也ダンスソロ新作公演
『心臓法則』7/13-14 開催
(予約受付中)
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https://dance-sakuraiikuya-stage.localinfo.jp/
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