いづれも、以前の舞台美術から・・・。
踊りの背後にさざめき、
身体を見つめている物質の声。
劇場で僕は舞台美術と出会う。そのたび、何だか生き物に出会ったような気持ちになる。
踊りながら、それらが息をしているように、あるいは、声を発しているように思えてならない。
新作『サイレントシグナルズ』の上演まで残り10日。通し稽古を繰り返す稽古場では、美術家の立ち会いが続く。
二転三転する稽古の流れをじっと見つめる姿。スケッチブックに黙々と何を描いている姿。その前で稽古は次第にライブへとシフトしてゆく。緊張感のなかで動きも精神も、裸にされる。美術の人の眼には、独特の厳しさが宿っている。
説明はしないで踊りを見てもらう、そこから全て発想してもらう。
差し出されたものと向かい合うとき、身体もまた変化する。さらに観客の方々が加わり、ようやくダンスは産まれ出る。
美術家との会話は極少に、互いに自分の作業を淡々とする。プラン提示は、ギリギリに受ける。もうすぐ、そのタイミングになりそうだ。
さて今回、いかなる舞台美術にまみえるのか。いかなる衣装を身にまとうのか。楽しみであり、緊張であり。
いよいよスリリングな時期に差し掛かる。
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《Sakurai Ikuya dance-solo ”SILENT SIGNALS”》
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これまでの公演記録
次回公演(11月・東京)の予定