風に身を縮めながら新しい踊りを探るうち、季節が緩み始めた。
新たな公演が決まり具体的な準備に移っている。ドキドキしている。
いまという一瞬間に髪の一本でもいいから結びつきたくもがくうち、皮膚や血管に痛覚のようなものが走り、ふと気付くのが、いつからか、これが最後でなければいいのに、と思いつつ作品を制作するようになっていること。
当たり前だが、全ての瞬間は一度しか無く、それゆえにこそ、そこに関わる熱は一瞬を一生に変容させて忘れ難く人を支える何かを孕んでいる。
何かスルのは、いつも初めてで最後であるのだけれど、やはり最後ではありたくない。しかし、ぼんやりしていると将来未来に備えての何かに気を取られ、今一瞬のことを逃してしまう。初めても最後もなにもなくなって、身が淀む。
命と時間の問題に踊りというのは関わっているように、このごろ実感してならない。いつか、とか、これから、とかいう言葉に対する思いよりも、いまただいまだけのなかに身を置き息を尽くそうとすることに妙に切迫してしまう。なぜかはわからない。
櫻井郁也によるダンス公演の情報や記録を公開しております。
作品制作中に記されたテキストや写真なども掲載しておりますので、ぜひ、ご覧ください。
▶︎近日中に次回公演の開催日程をお知らせします。