この本を最初に読んだのは、
もう6年近く前のことだったと思います。
ウチは息子が4年生の夏休み前頃。
3年生の冬前に、
妻にサッカー教室をやめさせられてorz、
息子が運動を何もやっていなかった頃に読んだ本です。
もちろん、休日の“公園サッカー”には行っていたし、
ガンバの試合観戦にも二人で出かけていました。
そんな私たちとは少々境遇が異なりますが、
サッカーをやっている息子と
それを見守る部活サッカー経験者の父親の物語です。
当時は子供のサッカーのために
厳しくもいろいろと考えてやって、
子どもの成長を見守る、という点では
共感するところも多くあったので、
好きな本ではあったのです。
…が、
今回、これも“積んどいた”本として
文庫版を読み直したときに、
「えらくキツい父親だな」と
思ってしまったのでした。
当時はそこまで思わなかったのになあ。
例えば「遊びたい」と言う息子に
「練習する気がないならやめちまえ」的な、
そう、子供に対する暴言のような表現もあって
もちろん物語の中で父親も後悔はするのですけど
ずいぶんとキツかったんだと印象が変わりました。
それでも救いなのは、
サッカーが上手な子に後れをとったり
下手な子同士で仲良くしたり、
「リフティング多くできるようになった」と
嘘をついてみたり、
でも、「頑張らなきゃ」と
健気に一生懸命に練習に向かうようになる息子。
当時、
「サッカー上手くなろうぜ」と
一緒に練習していた息子と重ね合わせて、
本の中の子供自身の上達がもどかしくもあり、
見守ってあげたいという想いもあり、と
タイトルの「ここからはじまる」に
胸打たれた感じがするのです。
上手くいかなくても、今日が最悪でも
もう一度"ここから"頑張ればいいじゃないか。
そんな気持ちにさせられるのです。
父親のキツい言葉に
子供がかわいそうに思えるほどでしたが、
子供は強い。
ちゃんと成長するもんだな、と
これもまた息子と重ね合わせたものでした。
今回読み直したのは文庫版でしたが、
6年前に読んでいたのは単行本。
このオレンジの表紙の印象が強いので
自分が最初に読んだものの想い出として
リンクはこちらも貼らせていただきます。
そういえば、何度か図書館で同じ本を借りたので
「お父さん、この本好きやなあ」と
当時息子が言ってた記憶があります。
ここからはじまる | |
はらだ みずき | |
新潮社 |