4月の池袋の事故にはじまり、
大津の事故、登戸の事件、そして相変わらず虐待のニュース。
これは、高齢運転者とか、ひきこもりとか関係なく、
全て子供が犠牲になっています。
いずれも親御さんの気持ちを想うといたたまれません。
子を失くした親も、親を失くした子も、
悲しいものではありますが、
自分の子供が先に亡くなることほど
切ないことはないでしょう。
子供の頃は、そんなニュースを見ても
「同じくらいの子かあ、かわいそうだな」
と思う程度だったと思いますが、
いつからか、そう、大人になってからでしょうね。
衝撃的だったのは、日航機墜落事故。
甲子園で高校野球を見るための初めての一人旅で
事故に遭ってしまった男の子。
もちろん、その子だけでなく
大勢の大切な命が失われたわけですが、
自分が親で、子供が「行ってくるねー」と
元気な笑顔を見せたのを最後に二度と会えなくなる…。
これは、どうにかなっちゃいますよねえ。
親も一緒に事故に遭うならともかく、
一人で事故に遭わせてしまった。
それでも、ごくごく日常の中のことじゃないですか。
何もなければ、夜9時頃には「着いたよー」と
電話などで声が聞けたはずで…。
と、そんな衝撃的な取材記事を目にしていたのでした。
それから、風見しんごさんの娘さん。
朝の通学時に自宅から100メートルだかのところで
交通事故に遭われてしまった。
芸能人のお子さんということで、
ずいぶんニュースやワイドショーでも取り上げられました。
この時も衝撃的でしたが、
日本中のいたるところでこんな交通事故は起きていて、
子供を失くす親御さんもたくさんいるのだろうな、
と、あらためて考えさせられたものでした。
そして、池田小学校。
事故ではなく、殺人。
変なたとえで申し訳ないですが、
大人の男が、子供たちを素手で殴ってまわることだって
十分事件になるものなのに、
長い包丁だか、ナイフだかを持って子供に向ける。
何の抵抗もできないですよ、子供らは。
子供が「キャー」と逃げようとしても
大人の男が2、3歩小走りになれば追いついちゃう。
もうホントに目を覆いたくなるような事件でした。
大津の事故の後、
何気なく、ホントに何気なくですが、
「子を失くした親」の記事などを目にして、
まず風見しんごさんの本、
「さくらのとんねる」を読んでいたんですね。
![]() |
さくらのとんねる |
風見 しんご | |
青志社 |
亡くなった娘さんの妹さんや、
認知症も患って亡くなったお父さんの話なども書かれ、
亡くなったお姉ちゃんのことを
あえて“もういない”と思うのではなく
いつまでも“一緒にいる”と思うことを
家族で共有している、とも書かれています。
そんな流れの中で、登戸の事件が起きました。
やはり想起させられたのは池田小学校事件。
犠牲者の母親である本郷由美子さんの本。
取材記事ではない親としての当日の行動記録でもあります。
つらい、つらい事件でした。
つい先日読み始めたのですけど、
事件発生日は6月8日、そう明日です。
読み始めたものの、涙でページが進みません。
通勤電車での読書ですので大泣きできないじゃないですか。
「やばいな」と思ったら本を閉じていたので
かなりペースが遅かったこともあり、
8人の天使たちの命日に導かれたように読了でした。
遺族であるご家族。
風見さんも講演などをされているようですが、
日航機事故の美谷島さん、池田小事件の本郷さん、
お子さんを亡くした親御さんに寄り添うような
心理士として活動をされているようです。
乗り越えるのは大変だったと思います。
いや、あえて乗り越えることをせずに、
現実を受け入れることで強くなられたのかもしれません。
ただ、ご本人らが何かしら文章をお書きになったとしても
その文章が心を全て表すことはできないと思うのです。
取材などを受けても、文字にされても
いつも「ちょっと何かが違う。何が違うかわからないけど」
だったでしょうね。
大人の過ちで子供が犠牲になることは
失くしたいと心から切に思います。
子供たちの魂が「いつでも一緒だよ」と
親御さんや兄弟姉妹の周囲をやさしく笑顔で漂い、
家族のことを守ってくれるよう、
悲しみは癒えることがなくても、
どうか、みんな笑顔でいられますように。
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虹とひまわりの娘 |
本郷 由美子 | |
講談社 |
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えみるの赤いランドセル―亡き娘との恩愛の記 |
風見 しんご | |
青志社 |
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