情報解禁前なので、と『エニブル』の、みわちゃんからこっそりライブのお知らせを貰ったのは5月の終わり。私が今年、朝霧フェスに行けなかったので、彼女の新バンドを聴けるのはいつかな、というコメントを入れた時だったと思う。この秋に夫人同行でニューヨークに転勤する、バンドメンバーのコッシーを、賑やかに送り出したいとライブが企画されたのだそうだ。コッシー夫人は仲良くしているU子ちゃん、大阪に帰って来る度に会ってお酒を飲んだり、まだ彼女がフェスに参加していた頃は会場でもおいしいツマミをご馳走になったり。以前、彼女のデュオユニットとデイジーヒルは、関西で対バンライブをやったこともあった。だが、その後彼女は音楽活動をすっぱりやめてしまって、最近はものすごい勢いで服を縫っていたっけ。その彼女が夫のコッシーと一緒にやっていた、ファミリーバンド『越田家』も、そのライブに出るという。これは万障繰り合わせても行かねばなるまい。次の仕事決めてなくてほんとに良かった、と思った瞬間だった。
宿も取った、新幹線は往路のみ手配、少しでも安くあげたかったので、4時間かかるぷらっとこだまでのんびり行くことにした。ライブは夕方からなので、前回行きそびれた上野の美術館、博物館どれに行こうかな、と検討した結果、日曜日だし混んでいそうなところはパスして、40年ぶり位の西洋美術館に行くことにした。
出発は9時前、朝からいつものところに出かけている相方には挨拶せず、仕事に出かける娘には「行ってくるね」と声をかけた。ドリンク券でビールを受け取り、弁当はそのアテと、昼過ぎに着くのでランチ兼用で。(朝は食べてきた。)
こだまは空いているかと思ったが、案外いっぱいだった。隣席には大きなお兄さんが座っていたが、彼は網棚にスネアドラムらしき袋を置いていた。名古屋で彼は降り、入れ替わりに若い女性が乗ってきた。トイレに行くタイミング逸したやん。
途中、うとうとしたり文庫本を読んだり、案外時間はつぶせたのと、各停なので、ふだん見慣れない駅とその周辺の様子を眺めたりして楽しかった。晴れていたけど富士山はこの程度。
この中のおかずはビールのアテにさっさと食べて、ごはん部は横浜辺りで食べた。ちょっと恥ずかしい食べ方だった。
東京駅につき、山手線に乗り換えて上野へ。もう昼を過ぎていたので、ヤバいかなあ、と思っていたが案の定、コインロッカーは開いていなかった。まあ、荷物も知れてるのでそのまま向かう。
チケット売り場で嬉しいことが。あら、私タダなんだわ。(この後結局時間がなくて入れなかったが、旧岩崎家庭園の入場料も、格安の200円だった。)美術館の中にはロッカーがあるのでバッグは預け、身軽になる。ここの作品が良いな、と思うのはあまりガラスをかけていないので、絵の質感がとてもよくわかる事。個人の使用に限り撮影が認められている作品が多くあったが、何となく撮りそびれてきてしまった。まあ、ひっさしぶりにたくさんのホンモノに囲まれた、とても気分のいい時間だった。
外の彫刻部分
モネ
ゴーギャン
ルオー
ブリューゲル好きやのに、撮り忘れてる。
そしてその後は、階段を降りて弁天堂の方へ向かい
初めて通る不忍池、池一面が蓮で覆われていて、そろそろ咲くのだろう、大きなみごとな睡蓮の蕾がいくつもあった。
服部緑地の池の蓮は、なんかもっと薄汚れていて、葉っぱももう少し小さい、(池が汚れてるのかも)ここで咲いてるのを見たかったなあ、とちょっと思った。
ボート池もまだあるのだな。日曜だったからけっこうな数出ていた。
その次は、ソロのレパートリーにしている『無縁坂』の現場を確認に。ひたすら暑い日で、陽射しは強く、雲に太陽が隠れることもなく、日傘をさしていてもそこからはみ出た場所がじりじりと焼けている気がする。
無縁坂は、先の旧岩崎家庭園の煉瓦塀に沿ってある、普通の坂で、向かいには保育園とか住宅とかがあった、
この坂の名前の由来となったお寺もあった。現地を確認することが目的だったので、それは達成できた。
ちゃんと表示板もあるんだ。
旧岩崎邸庭園の入り口。いかにも広そうなのでこの日は諦めた。
さて、ここから山手線に乗ってまずは五反田の宿まで。汗だくで歩き回ってるので、シャワーして着替えてライブ会場へ向かわなくては。
宿は、みわちゃんが「こんなところどうですか?」と教えてくれたところにした。いくつか他も探したが、一度も降り立ったことのないエリアなので、ここにしとこう、って思ったのだった。が、駅から数分の距離だし大きな町みたいだけど、宿の斜め向かいにはファッションホテル(って今は言うのでしょう?)が2軒並んでて、え?そこもそんなホテルちゃうやろな、とドキドキしながら入ったのだった。もちろん京王プレッソインというのは普通のビジネスホテルだった。
タイでいいホテルに泊ってきたので、部屋に入ったら、「ああ、日本のビジネスってこんなんやったなあ」と改めて実感した。でもひとりで一泊だけ、何の不自由もない。シャワー浴びて着替えて、いざ出発!