雨
詩人の八木重吉は しずかな雨に 自分の生き方をみていた
詩人の山田今次は はげしい雨に 世のつらさをかんじていた
人生をうるおす雨 暮らしを押しながす雨
いのちのかなしみのように いま 雨がふっている
雨 八木重吉
雨の音がきこえる
雨が降っていたのだ
あのおとのようにそっと世のためにはたらいていよう
雨があがるようにしずかに死んでいこう
あめ 山田今次
あめ あめ あめ あめ
あめ あめ あめ あめ
あめはぼくらを ざんざか たたく
ざんざか ざんざか
ざんざん ざかざか
あめは ざんざん
ざかざか ざかざか
ほったてごやを ねらって たたく
ぼくらの くらしを びしびし たたく
さびが ざりざり はげてる やねを
やすむことなく しきりに たたく
ふる ふる ふる ふる
ふる ふる ふる ふる
あめは ざんざん
ざかざん ざかざん
ざかざん ざかざん
ざんざん ざかざか
つぎから つぎへと
ざかざか ざかざか
みみにも むねにも
しみこむ ほどに
ぼくらの くらしを
かこんで たたく
◆言葉に愛を宿したい。
◆ご訪問ありがとうございます。