祈りを、うたにこめて

祈りうた(信仰くねくね  通院哀歌)

通院哀歌



「患者」という名刺

保険料が二割に減ったとたん診察券が増えた
手帳の半分は通院日 あちらこちら
医者代が家計を喰らう 生きる時間は減っていくのに
「患者」という名刺を仕事のように受付に差しだす



受付の人は元気そう

熱が出たので、おなかが痛いので、咳が続くので…  
町のクリニックは傷ついた訴えでいっぱい
わたしも隅のイスにすわってビョウニンの顔をする
受付の人ってなんか元気だなあ―などと呟きながら



精密検査

精密検査の結果は一週間後 それまでの時間の長さといったら!
診断は一瞬の間 ドキドキおろおろの時間は何百時間
その間に 守るべきひとの顔がちらつく
―わたし、セーフですか?  それとも、覚悟が要りますか?

一年先までの経過観察
―経過観察です、また一年後!
数年前なら「一年後の再検査でいいのか、よし!」と胸にメモした
今はどうだ
「一年先?  それまで元気だよと見込まれたンかなあ」



歯医者さん、コワイ

差し歯の具合がちょっと と言ったら
その歯医者さん いきなりの大声
―合わないのですか? どこがどうなのですか?えっ!
私の腕にケチつけるんですか そう心の中でも呟いたようで




医原病

医師の言葉と技量が原因となってしまう そんな病がある
―いっときの腹下しの少年が 過敏性の大腸になった
―杖はもう要りませんよと告げられ 腰痛が悪化した
―検査で行った母が 院内感染で亡くなった!




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