まとはずれの「善意」
ー卑下に逃げ反省をせぬでくのぼう
1 足し算
二たす二を教えて
と求められたのに
二かける二を教えた
そのほうがはやく計算できるよと言いながら
でも 孫はかけ算をまだ習ってないので
二たす二の答えが出せなくなってしまった
孫はべそをかいたが
頑固な爺はかけ算にこだわって首をかしげている
2 虹
七色の虹を描いて
とたのまれたのに
黒も加えてしまった
そのほうが輝きが増すだろうと言いながら
虹は数が増えてしまった
そのうえ 黒だけ目立つ虹に変わってしまった
八色の虹 黒でよごれた虹
虹は虹でなくなってしまった
3 司会者
ゲストを紹介する司会者が
講演のテーマについて長々と話してしまった
ゲストは舞台の袖で
今日の話は語られてしまったなと半べそをかいた
それでもゲストは
気を取り直して講演をした
終わりに司会者が出てきて
講演の内容を長々とまとめた
ゲストは水を一杯飲もうとしたが
今日のゲストはあの司会者だったんだなと悲しそうに呟いた
★いつも読んでくださり、ほんとうに有難うございます。
お節介と親切、創造とぶちこわし、役割認識とエゴの突きだしなどなど、わたしは何だかいつも的外れのヘマをしでかしてしまっています。「善意」のつもりの自己主張と気づかずに。