ほいほいとぼとぼ日記・爺爺刻々

The Medium is the Massage

さて、本日の鉄道模型の進捗報告としてはバラスト撒きだったのでありますが、腰の調子が悪いので中止。そこで、昨日ふと本棚から出して見直した「The Medium is the Massage=メディアはマッサージである」が眼についてぱらっと開いたら、懐かしい!のよ。ご同輩なら結構読まれた方も多いかと。昔、このブログでとりあげていた文章を多少手を入れて省エネ再掲させていただきますのである(恐縮)

ああ、肩が凝ったからこの本でも読むか。お、マッサージの本だ!とこの本を開いても体がほぐれるわけはない。1980年に亡くなったマーシャル・マクルーハンがクエンティン・フィオーレというグラフィックデザイナーとの共著で、見ながら学べるメディア論である。この本は、爺が高校生の1968年に河出書房新社から出版されたのである。なんと54年も前になるのか。時の立つのは恐ろしいことである。学生運動かぶれに飽きてきた頃に「2001年宇宙の旅」とこの本に出会い、たぶん自分の方向性に大きな影響を与えた本である。ただ、マクルーハン自身は、後に書くように「電気テクノロジー」に大きな期待をしていたので、印刷は機械テクノロジーということで、電気テクノロジーを広めるのに過去の技術である印刷本を使うというのはおかしいという批判もあったようだ。その辺の批判をかわすためにマクルーハン周辺では、anti-bookという表現でこの紙の集合体を言っていたという逸話は翻訳者である南 博氏の解説にも載っていた。今で言えばビジュアルブックみたいなものか。かの時代では、画期的であった。日本語版のデザインは亀倉雄策、菅谷貞雄というデザイン界の大御所が協力監修してもいるのだよ。

この"本"の始まりは、「おはよう!」という言葉と生卵の上に印刷されたロゴの写真である。マクルーハンは当時としては画期的な印刷技術が生み出す社会変革の可能性を語り始める。1968年であるからIT、PCなどという言葉はどこにもない。


口承文学と活字文化の研究から人間拡張論からメディア論を語る。他著『グーテンベルグの銀河系』『メディア論』等があり、メディアといった概念を世の中に波及させた代表的な研究者といわれ、なんせこの"本"を持つこと自体が格好良かったのである。
しかし、中身はすっかり忘れたと言っても過言ではない。生半可、かじっただけでやはりワシは勉強していないと今またさらに反省する次第である。で、その前に奥付を見たら、なんと初版"本"である。現状の価値はと探すと、ありました!古本専門サイトに。値段は美麗、カバー、帯付きで4千円程度で販売されているようである。54年前に買った価格は420円。なんと約10倍の価格!しかし、爺のは帯がなく保管状態が悪く一部汚れがでているのでさらに半額程度かな。ま、青春の思い出だから売ることはない。もう一度読んでみようっと。

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