というわけで、「ホビットの冒険」を知ったのだが、出版されているとは知らず(というより調べておらず)、逆に勝手にいつ出版されるのかなんて呑気なことを思っていたのである。
しかし、ちょいとググってみればあるじゃないですか。それも色々な版が出されているのである。昭和40年に岩波書店から瀬田貞二氏の翻訳、挿絵が寺島竜一氏のコンビの愛蔵版が初訳(?)で、そこから指輪物語のヒットまでは忘れられた存在になり、平成11年に物語コレクション版が、翌年に少年文庫版と続き、ワシが手に入れたのが「オリジナル版」というもので平成14年に初版がでたもので、翻訳は瀬田氏なのであるが、オリジナル版の所以は、挿絵・挿画がなんとトールキン自身というものである。
早速、アマゾンでご注文して来たのがこの本。内容は「指輪物語」のプロローグというべきもので、指輪物語にも出てきた指輪を手に入れたホビット爺さんで、フロドの養父であるビルボ・バギンズその人が主人公になっているのだ。冒険嫌いのホビットなのに、あの魔法使いのガンダルフに忍びの者として最高な人物と煽てられて(騙されて)、悪ドラゴンのスマウグに奪われたドワーフの財宝を取り返すために、13人のドワーフ達とともに、はなれ山を目指して冒険の旅に出るという話。そして、ビルボは一つの指輪を手に入れ、それが指輪物語に繋がるのである。
左上の山が彼らが向かう「はなれ山」である。赤いドラゴンもいるでしょ。
まだ、読み始めたばかりであるが、絵本的な語り口にもかかわらず登場人物や風景の細かい描写がありばかりでなく、物語としての重厚さもある。面白いのである。
また、挿絵家としても才能があるなと思うのである。この裂け谷の挿絵は、映画の裂け谷のシーンにそっくりではないだろうかのう。
トールキンさんは実はオックスフォード大学で英文学の教授。特に専門は古英語や古サクソン語、ゲール語などの古今の諸言語に詳しくその研究の中から伝説や古い物語についての造詣が深いのは当たり前といえば当たり前。自らもその研究の集大成として、ファンタジーを書くこととなるのは至極当然であるのがよく分かる。ワシの持っている指輪物語追補版という本には、トールキンが物語のために作られた膨大かつ詳細な各王国の歴史などきっちりと作りあげているのがよくわかるのである。
あれだけの重厚な物語を創るためには、本当にたくさんの物語にならない歴史や種族、人物や国々の資料が必要なのだろうね。追補版には、オークのしゃべる言葉から、ホビットのバルボからビルボまでの家系表(下の写真)など、ここまで細かく背景を作り込んでいるのかというくらいである。
これだけすごいトールキン先生には、友人に「ナルニア国物語」のC.S.ルイスがいるのである。ワシもいつかはこんな大作ではないがファンタジーを書いてみたいのであるが、いつになることやら。果てしなく遠いように思うのであるが、頑張って勉強します~~。
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