現代人は鉄不足と言われています。
一般的に鉄分=血液(赤血球)と思われますが、鉄は赤血球以外に体内で様々な働きをしています。
涙、唾液、粘液、汗にも免疫蛋白のラクトフェリンなどの形で含まれています。
ミネラルの中でも特に鉄は命の源で、地球も三分の一は鉄で出来ています。
だから地球には磁場があります。
生命の元(DNA)の誕生は鉄分を多く含んだ熱水だと言われています。
鉄は赤血球(ヘモグロビン)を生成するのに不可欠です。
血液の赤い色は鉄が酸素を受け取って酸化した錆びた鉄の色です。
成人の体内には約3gの鉄と5ℓの血液があります。
鉄が多すぎると酸化ストレスで体が錆びます。
体の酸化は毒で細胞を傷つけるので、余った鉄は肝臓にフェリチンとして蓄えられます。
鉄は体内で酸素を運んだり、筋肉中ミオグロビンや脳内ニューログロビンなどに酸素を蓄えたりする以外に、様々な酵素の働きもしています。
細胞内ミトコンドリアのエネルギー生産で、脂肪や糖を燃やす働きを助けます。
少しずつ酸素を送ってゆっくり燃やし、少量の熱とエネルギーを作ります。
急激に酸素を送ると発熱しますし、もっと大量に送れば体が燃えちゃうかもしれません。
低体温の人は鉄分や酸素不足かもしれませんね。
細胞や特に遺伝子(DNA)の製造に鉄が酵素として働いています。
体内の鉄はリサイクルをして使用しています。
鉄の排出は、皮膚や腸の細胞から1日1mgですので、1日1mgの鉄が必要ですが、20~30mgの摂取で1mgを吸収しています。
全部吸収できないのは吸収抑制ホルモン(ヘプシジン)が吸収を抑制して、鉄過剰にならない様に調整しています。
草食動物は草しか食べませんが、土を舐めたり、草を食べて血液を造っています。
植物の葉緑素の形成にも鉄が必要で、根から様々なミネラル類を吸収しています。
イネ科の植物は、根でムギネ酸を作り、土の中の酸化鉄を溶かして吸収しています。
それが草食動物の血液になっています。
最近の野菜などの農作物はミネラルの含有量が低下していると言われています。
化学肥料や農薬で土壌微生物が減少して土が痩せているのと、雑草が生えない事が原因です。
昔の農業は雑草も一緒に耕してミネラルも循環していました。
鉄分その他ミネラルを吸収したイネ科の雑草を土に戻して、ミネラルと食物繊維の多い土を土壌微生物が発酵して養分の多い土だったのです。
またそんな土にはミミズも多く、ミミズの腸内細菌も土壌改良を行っています。
ミミズもいない畑で育った農作物を食べている今の日本人は鉄分などのミネラル不足の方が増えて当然です。
何か対策が必要でしょうね。
顔色の悪い人が増えています。
顔色は血流が悪いからと思われがちですが、血色は筋肉中のミオグロビンという蛋白質の色です。
ミオグロビンは血液が運んだ酸素を筋肉(赤筋)の中に蓄える蛋白質で、体内に酸素が不足した時に酸素を放出して補います。
また脳内にも酸素を蓄えるニューログロビンという蛋白質があり、この蛋白質が減ってしまうと脳の老化も促進されてしまいます。
これらの蛋白質は鉄分が原料です。
その他にも脳内ホルモンのセロトニンやドーパミン、メラトニンの生成にも鉄が必要です。
鉄不足は体力の低下、首の凝り、疲れやすい、低体温、不妊症、集中力の低下、認知機能の低下、睡眠障害、爪が割れる、抜け毛、肌荒れ、免疫の低下など、様々な症状の原因にもなります。
爪や髪の毛はケラチンという蛋白質で作られていますが、鉄分が不足すると形成不良を起こします。
十二指腸のミネラル吸収力と鉄分の多い食品の摂取が重要です。
他にも腰痛や肩こり、頭痛、生理痛、視力低下、内臓疾患、癌など様々な症状もミネラル不足の可能性があります。
鉄分、ミネラル不足と思われたら海草物語をお試しください。
甲状腺の病気等で海藻類の摂取を止められている人には、海藻類20%の代わりに10種類の野菜粉末を配合した、食卓のミネラル野菜があります。
鉄分やミネラルの含有量は、ほぼ同じです。
過剰摂取の懸念を考える人がいますが、原料は植物の粉末ですので、栄養バランスは食品です。