パソコンは dynabookのNXE/76HEです。Vista機で、12.1インチのコンパクトなノートパソコンです。
状況をお聞きすると・・・パソコンを使って暫くすると、突然電源が落ちてしまう・・・とのことで、dynabook、Vistaと聞くとTXシリーズのプロードライザの劣化による電源断を想像してしまいますが、今回は別シリーズのパソコンなので別の原因と思われます。
お話を聞く限りでは、熱による電源断のように思われました。一旦パソコンをお預かりしました。
まずは、現象の確認ですが・・・電源を入れて10分くらいすると
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「PCヘルスモニタ」が・・・「PCの冷却性能が低下している可能性があります。冷却性能診断ツールを起動し診断することをお勧めします。」と表示してきました。
この機種は、底面から吸気して左の側面から排気しているのですが、排気孔から風は出ているので冷却ファンは回転しているようです。
指示に従い「冷却性能診断ツール」を起動して診断を行うと・・・5分くらいで電源が突然落ちてしまいました。
やはり冷却に問題がありそうです。
とりあえず、分解してみました。底面のネジを全て外す(メモリーカバーネジは除く)と、底面カバーが外れて、各部品にアクセスできます。
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かなり狭いスペースにぎっしりと部品が配置されていて、熱的には厳しそうな設計です。
さらにちょっと驚いたのは・・・
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ヒートシンクや放熱ファンの大きさです。コンパクトなパソコンなのですが、ちょっと小さすぎます。これでは放熱もうまくいかないことも考えられます。
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CPUに塗られていた放熱グリスも劣化して固まっていましたので、一旦取り除き再塗布しました。
ヒートシンクはネジ2個(カバー底面のネジも含めると3個)で固定するようになっており、ヒートシンクとCPUを均等に密着させるのは難しい設計になっています。
あとは、放熱ファンの清掃を行い、元の状態に組み直しました。
改めて電源を入れて暫く様子をみると・・・明らかに排気孔からの風量が増えています。また排気温度も高くなっています。
CPUとヒートシンクの熱伝導が良くないと・・・ヒートシンクの温度はあまり上がらないため、冷却ファンが低速回転になり風量がおちてしまい、結果的にCPUの温度上昇を招き、電源断に至ると思われます。ヒートシンクとCPUの熱伝導が良くなり、ヒートシンクにCPUの熱がきちんと伝わるようになると、冷却ファンは熱を下げるために高速で回転し風量が増します。
暫く様子をみましたが、最初に表示された「PCの冷却性能が低下している云々」のメッセージは出なくなりました。
「冷却性能診断ツール」を実行したところ(30分くらい診断にかかりました)、「良好」と表示されました。
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グリスの再塗布で効果があったようですが・・・さらに一日負荷をかけて動作させて、電源が突然落ちることが無いことを確認しました。
元々、熱的に厳しい機種のようなので、お客様には・・・吸気孔や排気孔の近くにはものを置かず、塞がないようにして使用するようにお願いしました。
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