詳細をお聞きすると・・・電源を入れると自動修復の画面が表示されるが、ずっとそのままから画面が変わらない・・・とのことでした。
パソコンをお預かりしました。
状況を確認すると・・・電源を入れてWindowsの自動修復画面が表示され、輪っか?はクルクル回っているのですが、ずっと放っておいても全く画面が変わりません。通常はディスクアクセスのランプがチカチカするのですが、全くアクセスしていない感じです。
Windowsが起動しないのは、ディスクの物理的故障やファイルの論理的破損で起きる事が多いです。
ディスクを取り出して、検証用のSSDにクローンを作成して、それを取り付けてみました。
(以前ディスク(HDD)が壊れたそうで、500GBのSSDに交換してありました)
取り外したディスクSSDは「正常」状態でしたので、物理的故障ではないようでした。使用時間も1,000時間弱でした。
クローンディスクを取り付けて電源を入れても、Windowsが起動しないのは同じ状態でした。
ファイルの論理的破損であれば、インストールメディア(USBメモリ)から起動して、修復や復元が可能なので、インストールメディア(USBメモリ)をさしてブートしてみました。
すると・・・Windowsのビット数を選択する画面が表示され、選択して実行すると・・・そのまま輪っかだけがクルクル回った状態が続きました。
通常だと、USBメモリのランプが点滅するのですが・・・消灯したままです。全くUSBメモリにアクセスしていない状態です。
試しにクローンディスクを外して、CDからの起動を試してみても、やはりアクセスしません。
どうもWindows以前にその前のBIOSがおかしいようにも感じられました。この機種は電源投入後「F2」キーの連打でBIOSメニューを開くことができ、設定などを確認しましたが、おかしなところはありませんでした。
念のためマザーボード上のBIOS情報を保持する電池を取り外して、電圧を確認してみました。
すると、2.93Vでした。
使われていた電池はCR2032というボタン電池で、定格電圧は3Vなのですが、新品時は3.2~3.3Vあります。
そして今まで、Dellのデスクトップパソコンで、何回か経験したことがあるのですが、このBIOS保持電池の電圧が3Vより低くなると、起動が不安定になることがあります。他メーカーのデスクトップパソコンだと、起動時に「電池が消耗している、云々」のメッセージが表示されることが多いのですが、Dellは起動が不安定になったり起動しなくなったりするようです。
新品のボタン電池(3.2Vありました)に交換しました。内部時計や設定がリセットされてしまうので、時計合わせ・BIOSの設定内容を確認して起動してみました。
今度は、最初に「自動修復」の画面が表示され、暫くすると・・・次の画面に進み、ユーティリティが表示されました。ディスクアクセスもしています。
インストールメディアから起動して、今度は修復メニューが開きました。修復を実行して、再起動すると・・・無事にWindowsが起動してきました。
一般動作も問題なさそうでしたので・・・元のディスクに付け替えて、同様の操作を行い問題なくWindowsが起動するようになりました。
再起動やシャットダウンも何回か試してみましたが大丈夫でした。原因はBIOS保持電池の消耗だったようです。
実際に会社へご返却で伺った際に、社内LAN経由でのアプリもありましたので、ご確認いただき大丈夫でした。
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