以前このブログにも書きましたが、静電容量とESR(等価直列抵抗)を測定することが出来るコンデンサチェッカESR60を購入しましたので、液漏れを起こしている電解コンデンサーのデータを測定してみました。
現象としては、TX90M/Dで電源が全く入らなくなったそうです。
早速電源ユニットを送付いただき確認すると、無負荷状態では正常に各電圧が出力されているものの、検証用パソコンにつなぐと、起動できませんでした。
昨年12月のブログにAPI4PC50の部品番号を記載した写真を載せました。
今回の電源ユニットでは、2次側平滑用電解コンデンサー4個が液漏れを起こしていました。
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C54・・・3300μF/10V C61・・・2200μF/10V C62・・・1000μF/16V C71・・・330μF/35Vです。
C54・C61・C62の3個とも液漏れを起こすと、全く起動しなくなるようです。
この液漏れした4個の電解コンデンサーの容量とESRを測定してみました。
その前に正常な電解コンデンサーの値は、容量は表示値±20%、ESRは平滑用で使用する低ESRタイプですと容量や耐圧にもよりますが0.1Ω以下です。
ちなみに同じユニット内の液漏れしていない1000μ/10Vの電解コンデンサーを測定したところ
このコンデンサチェッカでは、基板に部品がついたままでも測定できると説明書に書いてありましたので、まず基板についた状態で測定してみました。(ただし、並列に他のコンデンサーが接続されている場合は、目的のコンデンサー単体で測定してくださいと記載がある)
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基板についた状態だと静電容量は測定できないようですが、C54・C61・C62のESRは0.20~1.34Ωとなっており、明らかに異常値を示しています。
C71は、ESRが0.01Ωですが、これはC70が並列に接続されていて、こちらのコンデンサーは正常なので、正常値となってしまったようです。やはり基板についた状態での測定は、他に並列に接続された電解コンデンサーがある場合は無理のようです(当然といえば当然ですが・・・)
次に取り外した電解コンデンサー単体で、同様に測定してみました。
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う~ん、測定してみて容量が極端に抜けてしまっているのにビックリ
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ESRも、0.6~1.04Ωで異常値なのですが容量について確認してみると・・・
C54(3300μF)は、容量が測定できないみたいです。C61(2200μF)は、約半分の容量、C62(1000μF)は1/5に、C71(330μF)は1/3の容量値になってしまっています。
これだけ容量が抜けて、ESRも大きくなってしまうと・・・正常に動作する方が不思議です。
いつものように2次側平滑用電解コンデンサーを交換して、負荷テストを行い問題のないことを確認してご返却です。
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p.s.お客様のほうで、電源ユニットを取り付けていただき、正常にきどうしましたとご連絡がありました。(2010.3.17)