・・・ディスクトップパソコンのハードディスクをクローンディスクを作成する装置で、新しいハードディスクにクローンを作成した。しかし、クローンディスクを取り付けても、起動しないし、元のディスクに戻しても起動しない。・・・とのことでした。
詳細をお聞きすると、ディスクのアクセスランプがすぐに消灯してしまうそうです。
2つのディスクで、どちらも起動しないとなると、ディスク以外のマザーや電源の可能性も考えられます。
とりあえず、パソコン本体と、元々のディスクと、クローンディスクを送付いただきました。
パソコンが届いてまず事前の確認です。本体には元々のディスクが付いていました。
電源を入れると・・・OSが見つからないというようなメッセージが表示されます。
BIOSを確認してみると・・・うん?ハードディスク自体を認識していません。
クローンディスク(新ディスク)に交換してみると・・・今度はBIOSではディスクを認識していますが、やはりOSが見つからないというメッセージが表示されます。
ケーブルなどの不良も想定して、どらとものテスト用のWindowsが入ったディスクをつけると、問題なく認識します。BIOSの設定も問題ありません。
そうするとディスク自体の問題のようで、調べることにしました。
まず元々のハードディスクを検証用パソコンにつないで調べようとすると・・・電源を入れて数秒間はスピンアップの音がしますが、すぐに回転が止まってしまいます。
う~ん、ヘッドが固着してしまうみたいです。
いろいろ姿勢を変えて試してみたりしましたが、やはり数秒でモーターの回転が止まってしまいます。
では、クローンディスクの方を確認してみると・・・こちらは、きちんとスピンアップするのですが・・・何も書かれていません。というか未フォーマットの状態です。
お客様に確認すると、クローンディスクを作成する前から、フリーズしたりしてディスクの状態は、怪しかったそうです。
クローンディスクの作成の基本は、ディスクが正常な状態でクローンを作成することが重要です。なんらかの障害が発生しているディスクの場合、当然障害も一緒にクローン化されてしまいます。
お客様には、リカバリーディスクを入手して、最悪リカバリーを行うことで了解いただき、リカバリーディスクの手配を行いました。(リカバリーディスクは未作成でした)
リカバリーディスクが入荷するまでに、なんとか少しでもデータを読み出せないかいろいろ試してみました・・・すると、奇跡的にスピンアップしたのです。
どらとものデュプリケータでクローン作製を行いました。ところどころ読めないセクターがありskipしてしまいますが、進んでいきます。
しかし最後の方になり・・・またヘッドが固着してしまい、全く動かなくなってしまいました。
またいろいろ試しましたが、今度はスピンアップしませんでした。
とりあえず、クローンディスクを丸ごとバックアップを行いました。
そしてクローンディスの内部を確認してみると・・・Cドライブはほぼコピーできたようでしたが、Dドライブは未フォーマットの状態でした。
お客様に確認すると、Dドライブは使っていないとのことでしたので、改めてフォーマットしました。
これで、クローンディスクをパソコンに取り付けて電源を入れると・・・まず、無事にWindowsが起動してきました。Skipしたセクターがかなりあったので、chkdskをかけて再起動。
ディスクトップのフォルダー・データなどは無事のようです。主に使うWord、Excel、メールも問題なく動作してるようです。
その間にリカバリーディスクが届きました。
お客様には・・・元のディスクからCドライブの大部分を復元しクローンディスクにコピーし、Word、Excel、メールの動作確認、デスクトップのデータの確認は行ったが、完全に復元できているわけではないので、操作しているとエラーが表示される可能性があることをご説明させていただきました。それか、取り出せるデータを取り出しておいて、リカバリーを行い、データを戻すか、ご相談させていただきました。
その結果、この状態でご返却させていただき、使用していくうえでいろいろなエラーや不具合が頻発するようであれば、リカバリーディスクを使用してリカバリーを行っていただくことになりました。
前述しましたが、パソコンを長持ちさせるのに、ハードディスクの交換は効果ありますが、ディスクに障害が発生する前に、クローンディスクを作成し交換するのが、確実です。
障害が発生したディスクでも、クローンディスク作成は不可能ではないですが、時間や費用が余分にかかってしまいます。
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