TX90と同シリーズで、液晶32インチ一体型デスクトップです。
状況を確認すると、5年前に新規購入し、1年半前にパソコンが起動しなくなり(テレビは映っていた)、メーカーに電源を出張交換してもらったそうです。
そして今回は、パソコンもテレビも起動しなくなったそうです。
マザーボード不具合の可能性もあることをご了解いただき、電源ユニット単体を送付していただきました。
この32インチ液晶一体型のシリーズは、ネットで調べても電源に絡むトラブルが多いような感じがします。もともと32インチの液晶に対して電源の容量が足りていないのではと思ってしまいます。または使用している部品が、耐電圧・耐電流、あるいは熱的にあまり余裕がないのかもしれません。
現在の富士通の液晶一体型デスクトップ(テレビ機能有)のシリーズは、液晶が22インチと小型化されているのも、この辺も関係しているのかもしれませんね。
早速、電源ユニットが届きました。前回電源修理を行ったDESKPOWER TX90と同じAcBelのAPI4PC50でした。この時は、スイッチング回路の部品のイモ半田が原因でした。
中を開けてみると・・・電解コンデンサー4個の頭が膨らんでいて液漏れを起こしています。液漏れしているコンデンサーは、本来の電解コンデンサーの役目をしないため、回路動作が不安定になってしまいます。
![](http://doratomo.jp/~tomo/gazou/20090411-1s.jpg)
とりあえずこの状態で検証用パソコンに接続してみると・・・正常に起動します。
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おそらく32インチ液晶用のコネクタを繋いでいないので、電源にかかる負荷が軽いためかろうじて動作しているのだと思います。
2次側の大容量の電解コンデンサーは台湾のLtec社のものでした。今回はお客様の了解の下、大容量のLtec製の電解コンデンサーを交換することにしました。
今回は日本ケミコン社の高周波平滑用低ESRタイプの電解コンデンサーを用意しました。値段は高いですが、信頼性は高いと思います。
トータルで11個の電解コンデンサーを交換しました。電源ユニットの基板は、片面基板のことが多いので、部品の取り外し、半田付けはそれほど困難ではありませんでした。・・・でも電源回路なので作業には細心の注意を払います。
半田付けしていて感じたのですが・・・熱を持つ放熱器の近くに電解コンデンサーが配置されているのが気になりました。当然コンデンサーの周囲温度も高くなります。
一般的に10℃温度が上がると、部品の寿命は半分になるといわれていますので、結構周囲温度は大きな問題です。
コンデンサーの交換が完了し、何度もチェックを行い・・・検証用パソコンにつなぎ正常に動作することを確認しました。・・・といっても交換前の状態でも正常に動作してしまったので、これでTX70Lにつないで直るかどうかは不明ですが・・・マザーボードの不具合という可能性も全くないとは言えません。
一日ヒートランを行い、異常のないことを確認して電源ユニットのご返却です。
それにしても、この一ヶ月の間に全く同じ型番の電源ユニット修理が2件あったのは、偶然でしょうか?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/cat_1.gif)
<注意>
この記事を参考にされてもかまいませんが、自己責任でお願いします。事故など発生しても当方は責任を負いません。
<追記>
お客様の方で、電源ユニットを取り付けて「正常に起動するようになった」とご連絡がありました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/onigiri_1.gif)