今まで取り扱ったことのない型番の電源ユニットでしたので、最悪修理対応できない可能性があることをご了解いただいたうえで、電源ユニットを送付くださいました。
事前のチェックでは、全く電源が入りませんでした。
内部を確認してみると・・・
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2枚構成からなる基板の、2次側の電解コンデンサー6個が頭部膨張しています。
これが原因かなと思いましたが、さらに調べると・・・
1次側基板のヒューズが切れていました。
一次側のヒューズが切れているということは、スイッチング素子(FETやダイオードなど)のショートモードでの故障が考えられます。その場合、ショートにより多くの部品が損傷していることが多く、それらを見つけ出して交換するのは至難の業です・・・というか、どらともの技術では無理です
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ネットで調べてみると・・・同型番の電源ユニットの中古品が入手できそうでしたので、それを必要があればメンテナンスしてお渡しすることにさせていただきました。
動作確認済の中古品を無事に入手できたので、さっそく確認です。
外観的には、同型番の電源ユニットなので、コネクター仕様、ケーブル長など全く同じです。
念のため通電してみましたが、問題なく検証用パソコンが起動しました。
内部の状態の確認のため、カバーを開けてみると・・・なんか様子がヘンです。
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元の電源ユニットの基板と比べてみると、部品の配置や部品自体が微妙に異なっています。
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つまり、外観、電気仕様的には全く同じなのですが・・・中の基板(設計)自体が別のものでした。
マイナーチェンジとかではなくて、全く別の基板です。
さらに驚いたことには・・・元の電源ユニットでは、頭部膨張が発生していた2次側電解コンデンサーには、台湾メーカーのものが使われていたのですが、入手した電源ユニットでは、ルビコン・日本ケミコンの日本メーカーのものが使われていたことです。
ルビコン・日本ケミコンの電解コンデンサーは、どらともも交換修理用に使用しており、信頼の高いものです。
そのせいか、2次側の電解コンデンサーには異常がみられず、綺麗な状態で、負荷テストを実施して問題ありませんでしたので、このままの状態でお渡しすることにさせていただきました。
外観からは全く区別つきませんでしたが、部品の信頼性からすると今回入手した電源ユニットの方が、高いと思われます。
メーカーは2種類の電源ユニットを、搭載機種によって使い分けていたのでしょうか?
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