千葉県松戸市のユーカリ交通公園内にD51-405号機が静態保存されていた。
屋根付きで保存されていたが、機関車全体では錆や塗色の退色・剥離が所々に見られた。特に、非公式側に関しては雨風や直射日光による自然現象もあって老朽化が顕著であった。
D51-405号機の経歴は説明版の通り。新製から26年は新潟や長野といった雪国の多い地域で活躍した。主に信越本線や篠ノ井線、上越線、羽越本線、白新線がメインであったと思われる。残りの7年間は山口線や美祢線、山陰本線で活躍した。
豪雪地域で活躍していたことから雪かき器も装備されていた。
同機で特徴的なのは長野工場製の除煙板と集煙装置(煙突から排出される煙を抑えた装置。山間部の路線で活躍したSLに多く取り付けられていた)を装備している点。丸みを帯びた台形なのが特徴であるが、東京都町田市の862号機とは形状が異なる。
D51-405号機動輪。公式側はホームで干渉しており撮影は不可能。非公式は太陽光線や雨風で主輪棒、ロッドとともに退色していた。刻印は機関車周囲を柵で囲んでおり確認できず。
デンター(炭水車)。ナンバープレートや上部前照灯はなく、後部標識灯は片方が欠落していた。また、塗装の剥離が多く見られた。
側面のナンバープレートや日本車両製造銘板、タブレットキャッチャー(フックのような形状をした装備品)は公式と非公式ともに残存していた。ただし、非公式側は、雨風を受けた影響で塗装が浮き出て錆だらけになっていた。
日本車輌名古屋工場製造銘版はオリジナル品を装備していた。これは公式側の部分をUPしたもの。ペンキで塗りつぶされていて分かりにくいが、「日本車両製造株式会社 昭和14年 No789 名古屋」と読み取れる。
キャブ(電車でいる乗務員室)
機関室前面窓は、ワイパー類が凍結で使えなくなる恐れがあったため、旋回窓を装備していた。雪国で活躍した機関車ではこのような装備をした車両が多かった。
キャブ内は、最近になって整備がなされていない。メーター類や保安装置は残存しているものの、メーター類は針がなかったり、機器類が破損していたりと荒廃に近い状態である。またキャブ内は、スロープはあるも部品破損・盗難防止や安全性(アスベスト)の観点から立入禁止となっていた。さらに、側面のキャブ窓は公式側は窓枠のみでガラスは割れてなくなっていた。心無い人が破壊した可能性がある。
撮影日→ 2018(平成30)年12月9日(日)
アクセス→JR常磐線北小金駅南口下車してバスで10分。最寄りバス停は交通公園下車すぐ(バス利用時は、平日、土曜、日・祝日ダイヤに注意してください)。
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