・天然甘味料Natural sweeteners てんねんかんみりょう
天然、自然界に存在する原料より作られる甘味料で糖質系と非糖質系がある。糖質系は、でん粉、麦芽糖、砂糖などの日常的に摂取しているものより微生物により作り出し酵素を利用、また糖類に水素を添加、還元して製造する。
自然界で行なわれている科学反応を人の操作によってたやすく製造できるようになり、その生理作用についても研究が進められている。
低エネルギー性のものは、消化吸収されない、されにくい(難消化性:オリゴ糖)性質である一定の甘味を持っている。エリスリトール(糖アルコール)は、すみやかに吸収されるが代謝されずそまま尿中に排泄する。
糖質系のものは、少なからずエネルギー量が存在し消化吸収されやすい単糖類(ブドウ糖、果糖)、ニ糖類(砂糖)に比べると、非糖質系は明らかにエネルギーは、少なく、虫歯菌(ミュータンス菌)の餌となりにくくなっている。人の消化酵素で消化されず腸内でビフィズス菌の餌となり増殖させ、腐敗菌、ウェルシュ菌Clostridium perfringens、ピロリ菌、大腸菌の増殖を抑制する。消化吸収されないので、大量に摂取することにより下痢を誘発する。
非糖質系甘味料は、グリチルリチンGlycyrrhizin(芳香族化合物:甘草)、ステビオサイドStevioside・レバディオサイドRebaudioside(芳香族化合物:ステビア)、フェロズルチンPhyllodulcin(芳香族化合物:甘茶)、ペリラアルデヒドPerillaldehyde(芳香族化合物:シソ糖、青しそに多い)、グリシンGlycine(アミノ酸)、ソーマチンThaumatin(たんぱく質)などがあり主に根、葉、種子に存在し抽出している。
調味料、シロップ、漬物、惣菜、テーブルシュガーなどに使われる。甘味度が強く一般に多量に摂取することは困難で、また人のエネルギー源とならずほとんどノーエネルギーに近いものが多い。
天然の甘味料では、古くから利用されてきていることから使用基準がまだ定められていないものが多い。
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