・ニッケルNickel にっける
元素記号Ni、原子番号28、原子量58.69、銀白色の安定した金属で、主産地はカナダ、ニューカレドニア。ニッケルメッキ、合金に調理器具などに利用している。
耐食性が高く、耐久性に優れ、高温や低温での強度が高く、特殊な磁気電気特性を有する。鉄、ニッケル、クロムの合金で、この合金によるステンレス鋼(ニッケルは一般に8~12%)を最も大量に生産している。
人体で毛髪、皮膚に多く存在するが栄養的意義は近年になってアルギナーゼArginaseなどの酵素の活性化に関与、タンパク質の最終産物である尿素を分解する酵素(ウレアーゼ)の構成要素としている。細胞の再生を促す核酸(RNA)の安定化、鉄の吸収促進、ホルモン分泌への関与などの作用が知られるようになった。
極めて低い濃度は、肝硬変、慢性腎障害に多い。急性心筋梗塞、急性脳卒中などの発症後、血液中のニッケル濃度が高まることが認められる。比較的毒性は低いがニッケル精錬所で皮膚炎、呼吸器系腫瘍(肺がん)の発症の報告がある。データが不十分で、まだ許容上限摂取量は設定はない。
平均的食事によるニッケル摂取量は、約150 μg/day(2.5 μg/kg body weight/day)程度であり、水道水は1,000 μg/L(1mg/L)のニッケルを含む。またキッチン用品から溶出で高ニッケル含有食品を大量に摂取により900 μg/day(15 μg/kg body weight/day)以上となる可能性を指摘している。ラットに副作用を起こす最低量よりも低いとしている。
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