・木通、通草Akebi あけび
アケビ科、日本、中国、朝鮮半島を原産地とし落葉低木、北海道以南の日当たりの良い山野に自生する。ほかの植物に巻きついて成長するつる性で、新緑4~5月の時期に美しい紫の花が咲く。
秋の9~11月初旬になると長円形、そら豆型で5~10cmの果実をつける。表面は、黄緑から熟してくると薄紫色で表皮が厚く3mmぐらいでさらに熟し皮がはじけ二つに割れる。開け実が転じ、あけびとなったと思われる。中に半透明の小さな黒色の種子が多数ひとつひとつゼリー状に包まれている。
楕円形にまとまった甘味のあるところを一般に食用とする。蔓(つる)がアケビ細工に使われる。山形県では、食材とし栽培、若芽をつけた新芽(3、4月)のつる先を茹であく抜きして和え物、炒め物に、果実の皮の薄紫色をする表皮を除き白色の厚みのあるところを揚げ物、茹でてあく抜きし刻んで炒め煮としている。
少し苦味があるが秋の山菜として味わえる。果皮にアントシアニン(ポリフェノール)を含み、カリウム240mg、食物繊維1.1gを、果肉(ゼリー)にカリウム95mg、ビタミンB1:0.07mg、ビタミンC65mg、食物繊維3.1g/100g中に含む。苦味の成分は、サポニンで漢方で木通(もくつう)といい開花時の新芽、茎を乾燥させ利尿、鎮痛に利用する。
&アケビ科Lardizabalaceae あけびか
植物界Plantae、被子植物門Angiosperms,Magnoliophyta、真正双子葉類Eudicots、キンポウゲ目 Ranunculales、アケビ科 Lardizabalaceaeと分類する。7属35種ほどからなり、つる性または直立(Decaisnea属のみ)の低木。大部分が東アジア(日本、朝鮮からヒマラヤまで)に分布するが、Lardizabala とBoquila の2属はチリに産する。
葉は複葉(大部分は掌状、Decaisnea属のみ羽状)で、互生する。花は単性で3数からなる。がくは3または6で花弁のようにみえる。花弁は退化して、ないか、または蜜腺に変化し6個。おしべは6本。めしべは3ないし15心皮が離生し、花柱はなく子房の先が柱頭となり、また心皮が完全に閉じていない場合(アケビ属)もある。
果実は液果で多数の種子を含み、アケビやムベ(ムベ属)など食用とするものもある。
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(初版2020,9,30)