何気なく回したテレビのチャンネルです。
お風呂を掃除するヘルパーさんに気を使って、「そんなことしなくてもいいのに」と声がけをしているシーンです。
ドキュメンタリーだし、タイトルが「ぼけますから、よろしくお願いします。」となっていて、どんな風に変わっていかれるのだろうと見入りました。
動画を撮り、ナレーターをしているのは、一人娘の信友直子さん。
認知症のお母さんと老いていくお父さんの姿が、娘としてのまなざしで捉えられていました。そのまなざしが温かく、まっすぐに両親を見つめていることが伝わる映像でした。
本当に素晴らしいご夫婦でした。典型的な老老介護となりながらも、寄り添っている姿と会話が、心に響きます。
認知症になりながらも、お母さんがヘルパーさんやお父さんに声掛けをするときの心遣いが、とても心の優しさが感じられる言葉で表現されていました。
「ああ、この方は愛情に溢れた、人間性の豊かな人なのだなあ」
「この方は、思慮深く、知性の優れた人だったんだなあ」
お父さんの穏やかさも良かったです。
お二人が若い時の姿、結婚して直子さんが生まれた時の姿、直子さんが成長していくときの二人の姿、二人だけになってからのまだ元気な時の姿、そして、迎えた老いの姿。どの姿も良かったです。
私のこれまでの姿は、どうだっただろうと思います。
「あんなに愛情に溢れ、人間性の豊かな姿で家族や周囲の人々と触れ合ってきただろうか‥」
「あんなに思慮深く、知性に優れた私だろうか‥」
いや、いや‥そうじゃないと判断します。
誰かに介護されるときの私は、このお母さんのような表情からは、ほど遠い姿に違いありません。
本当に、若い時は、誰しもが迎える「老い」というものが、こんなに厳しい面を抱えているとは、想像もしません。
長い年月を精一杯生きてきて、病気だ、介護だ、親しい人との別れだなどという現実を突きつけられるのは、
「神様、違うんじゃないですか‥?」
と言いたいですね。
さあ、私も、老いを迎える準備をしなくてはなりません。
「どんな、姿で迎えたいのか、どんな準備をするのか」
しっかり考えておきたいと思います。
この映画についての情報がわかるホームページにリンクを貼ります。クリックしてみてください。
😇 映画「ぼけますから、よろしくお願いします」
😀 今日は夏の代表花
ヒマワリとランタナ