emitanの心にうつりゆくもの

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ゴーストライター 最終話

2015-03-18 20:21:45 | 2015冬ドラマ
最終話(第10話) 「女王の帰還 罪深き女たちの逆襲」

川原由樹(水川あさみ)は、遠野リサ(中谷美紀)から受け取った「私の愛しい人」の原稿を読み、自分の名前に書きかえて出す事はしないと告げるが、リサから「あなたは今、誰に向けて小説を書いているの?顔の見えないたくさんの読者?…だからね。読者に媚びたような作品になってる。だからそこそこ面白いけど、何かが物足りないのよ」と言われる。
由樹は、リサの原稿を駿峰社の編集長・神崎雄司(田中哲司)の元へ持って行き、「この小説を読んだ後、しばらく動けませんでした。心が震えました。本にしないで埋もれさせるのは勿体ないです」とお願いするが、神崎が認めないため、由樹は「でも、読むだけ読んでください」と言って、原稿を置いて帰る。
そんな由樹に、編集者・小田颯人(三浦翔平)が「まだ遠野先生と関わっているんですか」と声を掛けると、由樹は「小田さんも先生の作品を読めば、私と同じ気持ちになると思います。作品に罪はありません」と話す。
小田は、常務・鳥飼正義(石橋凌)の元へ行き、リサの作品を出版してもらえるよう直談判をすると、鳥飼は「今、彼女の本を出してもリスクしかない。どうやってリターンを生むつもりだ?」と尋ね、小田が由樹との共同執筆はどうかと持ちかけると、鳥飼は「残念ながら共同執筆でも遠野リサの小説は、うちでは出せない。うちではな。同期で俺と取締役を争った男がいた。そいつが立ち上げた小さな出版社がある。そこを紹介するから、自費出版で出させるんだ。たとえ売れなくても、うちはリスクを負わない。売れて遠野リサに価値があると分かった時は、この原稿をうちが本で出す。他社には手を出させない、その条件を遠野リサに飲ませる事ができたら、お前に手を貸してやってもいい」と持ちかける。
リサは、母・元子(江波杏子)に「私の愛しい人」の原稿を持って行くが、元子はリサの名前すら忘れてしまっていた。
小田は、リサと由樹を呼び出し、共同執筆の作品を小さな出版社から自費出版してみないかと持ちかける。
小田は「必ず売れます。売れたもん勝ちです。お金になれば、各出版社が遠野先生に飛びつきます。本の内容が絶賛される内容なら、必ず読者も戻ってきます」と話し、由樹は「先生に媚びてるって言われて分かったんです。前の私は、顔の見えない読者じゃなくて顔の見える人に向けて書いていました。家族とか彼、それから誰よりも先生です。先生に読んでもらいたくて、褒めてもらいたくて書いていました。先生のために書きたいんです。お願いします」と話すと、リサは「タイトルは『偽りの日々』。私があなたにゴーストをさせた頃の事を思わせる、言わば暴露本と見せかけておいて、中身は重厚な人間ドラマを描く作品。この作品には二つの視点があって、一つはあなたの視点、もう一つは私の視点で物語を進めるの。これでどう?」と話し、由樹は笑顔で同意する。
・・・偽りの人生をずっと悔いてきた。
 偽りのない本当の私の人生を生きたいと思った。
 本当の私でいたいと思った・・・

書き上がったリサと由樹の小説「偽りの日々」の発行部数について決めていると、リサは「汚れた女が書いたものを、世間はきっと見たいはずよ」と話し、自費出版としては異例の初版1万部を用意する事になる。
小田は向井七恵(山本未來)に「偽りの日々」の帯の言葉を書いてもらうようリサを通じてお願いし、由樹は延期してもらっていた自分の小説の執筆を再開する。
駿峰社に届いた新人賞応募作品の中に遠野大樹(高杉真宙)の小説があり、小田から大樹の住所を聞いたリサは、大樹の住むアパートに行く。
リサが「小説で食べていこうなんて甘いわ。それとも、小説家を目指してる自分に満足して、こういう生活を続けているの?」と尋ねると、大樹は「そういう事言うなら帰ってくれないかな。俺は自分が納得するまで続けるから。何言われても、そうするって決めて家を出たから」と話し、リサは「そうね。話も聞かずに悪かったわ」と話す。
リサは、自分がまた小説を書き始めたことを伝え、元子とは一緒に住まない事にしたと話すと、大樹は「言い訳ができて良かったな。母親の面倒を見ない酷い娘になりたくないから、一緒に住もうとしてたんじゃないの?ずっと思ってた。遠野リサは母親の事が嫌いなんじゃないかって。嫌いなら嫌いで、それでいいんじゃない?」と声を掛ける。
「偽りの日々」の発売日となり、各書店での売り上げの集計がどんどん伸びていき、重版は10万部に決定し、そこでようやく神崎がリサと由樹の共同執筆に気づく。
小田はリサに「内容も評価されていて、ネットでは文学性が高いと絶賛されています。この作品は間違いなく、遠野リサ復活への第一歩です」と話すと、リサは「私だけかしら?」と尋ね、小田は「いえ、川原由樹も復活です!」と笑顔を見せる。
リサは、元子を散歩に連れ出して「もし認知症にならなかったら、いつか分かり合えた。そう思う事が、私の唯一の希望だったのかもしれない。たぶん一生分かり合えるはずがないから。お母さんの事嫌いだし許せない、そんな自分を受け入れる事にしたわ」と話すが、元子は気にせず空を見つづける。
リサの単独作品「私の愛しい人」が駿峰社で単行本化される事になり、単行本編集長・岡野慎也(羽場裕一)と小田が自分の頭越しに話を進めている事を知った神崎が小田を問い詰めると、小田は「自費出版の『偽りの日々』が売れたので、各出版社が遠野リサに飛びつくはずです。いいんですか?お金になるのに、うちが遅れを取っても。許可なら上に取ってあります。鳥飼専務です」と言い放つ。
神崎が鳥飼の元に行くと、鳥飼は「なんでお前に相談しなかったのかな?お前だって、やみくもに反対しなかったはずだよな?お前は保守的な会社に風穴を開けた男なんだから。もうお前は、私の後ろ盾なんて必要ないんじゃないのか?」と話す。
リサは、田浦美鈴(キムラ緑子)の元を訪れ、また秘書をしてほしいと頼む。
駿峰社の創立80周年謝恩会がホテルで開かれる事になり、神崎はリサと由樹を出迎えるが、2人は神崎には反応せず、岡野と小田にエスコートされて会場に入る。
その夜、神崎がバーで一人で酒を飲んでいると、リサがやってきて「どんな味わい?鼻をへし折られて飲むお酒の味は。(楽しそうだなと言われて)ええ、死ぬほど楽しいわ。落ち込んだあなたを見てると、ゾクゾクする・・・嘘よ、まだ聞いてなかったから、あなたの感想。『私の愛しい人』の感想、聞かせて。分かってないのね。今でも、私が一番感想を言ってもらいたい人は、あなたよ。それは、これからもずっと変わらないわ」と話す。
すると神崎は「時間は大丈夫か?あの作品の素晴らしさを語り始めたら、3時間は掛かる」と話し、リサは「たったの3時間?」と言って二人は笑顔になる。
リサが元子の元を訪れると、元子はリサが置いていった「私の愛しい人」の原稿を読んでいて、リサは待っているうちに眠り込んでしまうが、読み終わった元子は涙を流しながらそんなリサに向かって微笑む。
リサは由樹に「元ゴーストライターのラベルは完全に剥がれたわね。あなたは小説家・川原由樹よ」と話すと、由樹は「この前のパーティで、大御所の先生方がおっしゃってました。文壇の女王の座が似合うのは、やっぱり遠野リサだって。むしろ一度どん底に落ちてからの復活だから、毒を含んで女王の輝きは増したくらいの勢いでした」と話し、リサが「あなた、自分のおかげだと思ってるの?確かに『偽りの日々』のおかげね。でも、お礼なんて言わないわよ。共同執筆だなんてありえない。1冊の本の表紙に小説家の名前が2人並ぶだなんて、あれほど屈辱的な事はなかったわ」と話すと、由樹は「相変わらず遠野リサですね」と言って笑い、リサは「頑張ってね」と声を掛けて二人は別れる。
・・・偽りの人生をずっと悔いてきた。
 偽りのない本当の私の人生を生きたいと思った。
 でも、偽りのない人生なんてどこにもない。
 偽りの私も、本当の私だ。
 愚かで愛すべき、私だ・・・



というような内容でした。

いやぁ・・・大満足の最終回でした
全てがストンといく内容で、伏線が綺麗に回収していて、とてもスッキリしました!
そして、共著「偽りの日々」を最終回に持ってくるという事を今まで目指していたのだというのが伝わり、とても感動しました!!
こういう、最終回になってこれまでの演出意図が分かるというドラマは、観ていて本当に気持ちが良く、ブレていなくてとても素晴らしいと思います!
ドラマではリサの側からが多めに描かれていたけど、由樹の事もしっかり描かれていたから、二人が同じ題目について別々の視点で生き生きと書いていく様子を観ていたら、とても嬉しくなり、ドラマ上の小説なのに出来上がる過程にワクワクしてしまいました
最後にプレゼント告知にあったノベライズ、買ってしまおうかな(笑)

リサは、母・元子とは分かり合えないままだけど、大樹にそれでもいいのではと言われて、やっと本当に解き放たれましたね。
元子が「私の愛しい人」を読み終えて涙を流していたシーンは「リサ、起きて!!」って思いましたが(笑)
元子はどこまでリサの事を理解できているのかは分からないけど、もしかしたら一瞬記憶が戻ったりしているのかも?とも思わせる、色々な可能性を含んだ終わり方が素敵だな、と思いました。
大樹も、真の笑顔は見せていないけど、リサに「嫌いなら嫌いで、それでいいんじゃない?」って声を掛けてコーヒーを淹れるシーンには、感動して泣きそうになりました。
江波杏子さんも高杉真宙さんも、繊細な表情までとても素晴らしかったです!

そんなどん底から抜け出ることが出来たリサのアドバイスで、由樹も無事に呪縛から解放されて、良かったです!
リサは、由樹に対して恐れというかライバル心を持っている状態だったらアドバイスなんてしなかった(出来なかった)だろうけど、由樹の事を「小説家・川原由樹」として認めることが出来て、「人は人、自分は自分」って思う事が出来たからこそ、ああして言うことが出来たのでしょうね。
二人とも、これからはスランプに陥っても、前よりはずっと早くに気づいて原点に戻れるのでは?と思うようなラストで、とても良かったです!

人に媚びない作品の方が面白い・・・ドラマについても言えるかも。
狙いすぎていると興ざめしたりする事が時々あるような・・・。

リサの新作は単行本売上史上最速の30万部突破、由樹の小説も25万部突破。
「私の愛しい人」のポスターには、「母から貰ったものは、憎しみ、畏れ、虚栄、愛。私は人の親になるのが怖い・・・それでも命は繋がっていく」の言葉が。
「あなたの日めくりカレンダー」のポスターには、「あの時、私は幸せに包まれていた。大好きな人との日々・・・でも、もう想い出にしなければ。カレンダーは戻らないのだから」の言葉が。
由樹は、元婚約者・尾崎浩康(小柳友)の幸せを願いながらも、小説家はずっと続けるという事なのですね

いきなり小田が大活躍して、そこはビックリでしたが、鳥飼の入れ知恵だったのですね
「純粋な小田」ということで、リサの新作を読んで「これを出さない訳にはいかない」と思い、由樹の再浮上のキッカケについてもしきりに考えた結果、ちょっとブラック気味になりつつも突っ走ったのでしょうね~。
由樹とは「編集者と作家」としての良い関係がこれからも築いていけそうなラストで、良かったです。
(ちょっと小田の真意が分からない時が時々ありましたが

神崎は突き落とされて当然と思ったけど、リサはまだ神崎に愛情が残っていたようですね。
お互いが好き合っているというのは分かっていたけど、ずっとすれ違っていたというか・・・
リサが助けてほしいと思った時に神崎は別の助け方(ゴーストライターをあてがう)をしてしまったり、
リサが死のうとした時は、神崎は結婚を示唆することを言っていたけど、リサは結婚で救っては欲しくなかった(作家を辞めるのなら死んだ方がマシ)と思っていて、別なアプローチで救ってもらいたかったのでは??
まぁ、リサは文壇の女王として、神崎は編集長&取締役として、お互いにがんじがらめになっていたから、リサの方が先に楽な気持ちになって、神崎を救ってあげたのかな?(ちょっと意地悪はしましたけど
リサが「ええ、死ぬほど楽しいわ。落ち込んだあなたを見てると、ゾクゾクする」と言った時、観ているこちらも本当にゾクゾクしました
中谷さん、本当に素晴らしくカッコ良かったです!!

ドラマのタイトル、「ゴーストライター」じゃなくて「偽りの日々」とか、もっと違う名前にすれば良かったのに・・・。
このタイトルで視聴を敬遠した人は少なからずいるのでは?
私も、出演者が魅力的でなかったら、敬遠していたかも・・・。
ドラマの中のセリフにあったけど、「暴露本と見せかけておいて、中身は重厚な人間ドラマを描く作品」にしっかりとなっていた作品だったので、視聴率があまり良くなくて本当に残念でした。
ゾクゾクするような場面がたくさんあったけど、気持ち悪いゾクゾクやドロドロではなくて、続きが気になって仕方のない、面白い小説を読んでいるような気持ちでずっと観ていました。
脚本&セリフがとても素敵で、そこに演出がバシッとハマっていて、キャストもその人にしか見えない位みんな入り込んでいて、音楽もカッコよくて、全てが素晴らしかったです!

月末までには冬ドラマの総括の記事を書きますが、私の中では本作は、この冬ドラマで最高にハマったドラマでした。
ブログの記事を書くのが全話を通じて全く苦にならないドラマって、1クールに1本あるかないかなのですが、本作はそういうドラマでした。
力のある素敵な作品をありがとうございました!!
←web拍手です。
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