emitanの心にうつりゆくもの

日常のこと、テレビドラマのことなどを中心に・・・

サイレント・プア 第3話

2014-04-23 19:39:57 | 2014春ドラマ
第3話 「最後の幸せ~ホームレスが守った幸せのかたち」

ホームレスの男性・木下和男(大地康雄)が以前に家賃滞納で追い出されたアパートに不法侵入し、木下を以前から見守っていた紅墨区社会福祉協議会のコミュニティ・ソーシャルワーカー(CSW)・里見涼(深田恭子)はアパートの大家から呼び出しを受ける。
木下は謝るばかりで理由は話さず、木下の顔色が悪いので涼は病院へ行くように言うが、木下は「アンタには世話になりました」と頭を下げて去っていく。
区役所には、ホームレスを追い出してほしいという近隣住民からの要望が入り、CSWがホームレスへ食べ物の差し入れをしているという話を耳にした地域福祉課長・山倉祐一(北村有起哉)は、社協の近藤健亮(モロ師岡)に「社協のやり方は甘い。とにかく里見さんには釘を刺しておいてください。公園に居つくような余計な世話を焼かないように。誰彼かまわず無尽蔵に使えるほど、愛も予算もこの世には存在しません」と話すが、近藤は「君はだいぶ変わったね。昔新人だった君が僕の下で働いていた頃、君こそ里見とそっくりでしたよ。あの同じ公園で君のしていた事は、今の彼女と瓜二つだった」と話す。
木下が行方不明になり、図書館にいる所を新人CSW・三輪まなか(桜庭ななみ)が発見して声を掛けるが、読んでいた故郷・新潟の写真集を放り投げ、「放っといてくれ!」と怒鳴って再び行方不明になる。
夜になって雪が降り始め、涼が木下を捜しに出掛けようとすると、同僚・久慈五朗(田口浩正)は「里見なら一番よく知っていると思うけど、人に言えないことを抱えている人は多い。心配されることは重い時もあるよ」と声を掛けて送り出す。
涼は川辺の公園で野宿をしようとしている木下を見つけ、さつまいもを差し入れして、「東京は色んな所から人が集まってくる。そういう場所だから、裏返すと人はここで心を許さない。でも、私それは間違ってると思うんです。だって、今私たちが住んでるのはこの町なんだから。ここを故郷だと思って、みんなで助け合って生きていくべき。そう思うんです。私はこの町にたくさん助けてもらったから」と声を掛けると、木下は自分の身の上話を話し始める。
高校を卒業して東京に出て左官の仕事をしていたが、40歳頃に大怪我をしている間に勤め先が潰れてしまい、それからは定職に就けていないことを木下が話していると、近隣に住む若者3人が「出て行け」と怒鳴りにやって来て、「人生捨てたんなら人に甘えるな。家族が泣いてるぞ」と言われた言葉に木下は激怒し、「家族なんかいねぇ!ほっといてくれ!」と言って若者に掴みかかり、その場を見つけた山倉が仲裁に入ったところ、木下は血を吐いて倒れてしまい、病院へ運ばれる。
木下は胃癌が疑われ、手術となると親族の保証人が必要になると医師から告げられ、とりあえず入院をすることになる。
山倉は涼に「寄り添い支援というのは、一人の人生に深入りする事とは違うんじゃないのか?君に一体何が出来るというんだ?」と話し、涼が「最後だけでも木下さんらしい人生の誇りをもう一度感じてほしい」と話すと、山倉は「ホームレスを支えているNPOの中には看取りをやっている所もあるから調べておこう。簡単に人の人生を救えるなどと思わない方がいい」と話す。
それを聞いた涼が「なぜいつもそういう事をおっしゃるんですか?人を突き放すような言葉」と尋ねると、山倉は「僕はね、過去に一人人を殺してるんだよ」と言って帰っていく。
木下が住んでいたアパートの畳の下から、木下の妹・宮部和歌子(結城しのぶ)からの手紙と写真が見つかり、涼はそれを木下に渡すが、木下は「俺は情けない男だ。落ちたまま這い上がれない、恥ずかしい男だ。仕事無くして、体壊して、こんなざまはねぇよ。分かってくれよ、あんた。小さい頃からずっと二人だけだった。和歌子にだけは迷惑かけられん。こんな兄がいてどうする。アイツの幸せ壊すバカはおらん」と言って和歌子には知らせないように頼む。
一旦は病院を出た涼だったが、自分の弟との最期の場面を思い出して木下の元へ戻り、「やっぱり会おう!私はもう会えないの、弟に。でも木下さんは会えるじゃない」と声を掛けると、木下は「じゃあ伝えてくれ。『安心しろ。俺はもうすぐ死ねる』」と話す。
涼は和歌子の居場所を探し出して、和歌子に木下の伝言を伝えると、和歌子は「兄らしい…」と言って木下の過去を話し始め、木下がケガをした時に借金を作ってしまった事を気にかけて「もうお前の前には現れない。迷惑はかけない」と言い残して木下が行方不明になってしまったことなどを話し始める。
涼は病院に一緒に行ってくれないかと話すが、和歌子は「兄はそれを望んではいないでしょ。その伝言で来るなと言ってるんですよ。兄の望みが私には分かる。兄はハツラツと輝いていた頃の自分を私の目に焼き付けててほしいんだと思う。もしよかったらこう伝えてください。『兄さんのお陰で和歌子は幸せにしております。どうか、どうか大事に』」と話す。
涼が木下にその伝言を伝えると、木下は笑顔を浮かべる。
和歌子は保証人にはならないが月1万円仕送りをすることになり、涼は山倉に「課長のおっしゃる通り、分かったフリをして深入りしてはいけないのかもしれませんね。色々な家族の形がある」と話すと、山倉は「離れてても繋がっている。他人には分からない絆もある。幸せの形は一つじゃない。じゃあ福祉はどこを追えばいいのか・・・」とつぶやき、10年前に自分が担当したホームレスが亡くなったことについて打ち明けて「私が押し付けた幸せの形が彼をかえって追いつめてね。一人ずつに向き合う事は、限りなく難しい。君だけじゃないよ」と声を掛ける。
すると涼は「でも…それでも私たちは向き合わないと。色々な形があるなら、その一人一人に向き合って、その人が本当に望む形を一緒に考えていきたい。その先にある大きな幸せの花を咲かせることが本当の福祉、そう思いますから」と話す。
その後、山倉は新予算にホームレスのシェルター費用を計上するよう部長に掛け合うことにする。
退院した木下は、提供された空き店舗の2階に入居できることとなり、木下は涼に「アンタには敵わない。感謝してます。アンタ分かってくれた、俺のこと。俺たち兄妹の事、分かってくれたから。俺ね、もう一度キチンと生きてみます。死ぬまでの日を生きてみる。ありがとう」と笑顔で話す。
窓の外を見た涼は、和歌子が外から見ていることに気が付くが、和歌子は中に入らずに無言で頭を下げて去っていき・・・


というような内容でした。

今回も色んな事が詰まっていましたが、これまでの3話の中で一番グッときました。
何度も涙が・・・
大地さんと言えば、私の中では大河ドラマ・太平記の一色右馬介役が強烈に印象に残っているのですが、その時と変わらない素晴らしい演技に、今回もとても惹き込まれました。
特に、病室で妹からの伝言を聞いた時の柔らかい表情に、とても感動しました。
「死ぬまでの日を生きてみる」と言った時のお顔も素敵でした。
そして、妹役をしていた結城しのぶさんが無言で会釈していくところでも涙が・・・。
お二人が一緒のシーンは無いのに、兄妹の絆がしっかり伝わって、とても素晴らしかったです

「ハツラツと輝いていた頃の自分を目に焼き付けててほしい」
こう思っている人は、実は多いのでは?
私も最近そう思う事が時々あります。
数年前までバリバリ働いていた頃と比べると今はかなり地味な生活をしているので、何年も会っていない人と会う時はかなり勇気が要ります。
そして、私の親の世代になると、だんだん体力が無くなってきているのだけど、それを認めたくないという思いがあるようで、ヘルパー等の公的支援をなかなか受けたがらないという話を時々耳にします。
どんな人にもプライド(誇り)は何かしら持っている中で、どう折り合いをつけていくか・・・。
そして、周りの人たちの話の持って行き方によっても変わっていくでしょうし・・・。
若い世代も年配の世代も「自分にもそういう時期が来る(あった)」というような、それぞれにもっと思いやりの心を持っていくことも重要なのかも・・・
と、論点はズレましたがこのドラマを観ながら色々な事を思いました。

山倉の過去が分かりましたね。
「幸せの形は一つじゃない」のに、幸せを押し付けてしまって支援が必要な人を遠ざけてしまい、死に至らしめてしまったということで・・・。
それ以来、一人一人に深入りしないことを選んできた山倉だったけど、涼の「それでも私たちは向き合わないと」という声で気づかされたようですね。
山倉は涼と対立する形でしばらく進んでいくのかな?と思っていたのですが、ここで分かり合える部分が出てきたので、今後二人がどう福祉の道を進んでいくのかが気になります。

涼の同僚・久慈は、涼を見守っているという役どころだけど、結構良い事を話していますね~。
「心配されることは重い時もあるよ」・・・私もついつい親切を押し売りしてしまう事があるので、気を付けたいと思います
「型破り 今日はどこまで 行ったやら」・・・涼の行動についてとても的を得た川柳?だったので、思わず吹き出してしまいました

全体的に重たい話題を真面目に描いているので、視聴率はあまり良くないようですが、私はこのドラマを今期観て良かったと思っています!
春ドラマの中では、内容に関しては一番いいのでは?(実話を交えた話だから、というのもありますが)
同じくNHKの「ロング・グッドバイ」は、総合的には一番いいと思っています。
日9がまだ始まっていないので、こちらはどうなるか・・・。

※ビター・ブラッドの感想は、明日書く予定です。

※これまでの感想
 第1話 第2話
※公式HP(こちら
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