縁側間倉の細々手帖

ゲームのアイデア提案(フィクションゲームノート)とバランス等の考察が中心
既存のものを闇鍋するほうが得意

【遊戯王マスターデュエル】「カジュアル」を考える

2022年07月25日 23時49分51秒 | 日記

遊戯王マスターデュエルにて、今日の告知でカジュアルマッチの実装が発表されました。

そもそも今までランクマッチと対になるマッチングシステムがなかったのがむしろ意外だったのですが、これにてルーム以外で勝利のために全てを捧げる以外の選択肢が出てきました。
 
ただ、カジュアルマッチはほとんどの確率で期待通りにはいかないと思ってます。
それにはいくつかの「誤解」があります。
 
誤解『カジュアルマッチは実力が近いデッキと出会える場所』
遊戯王というカードゲームは歴史の長さと同時に「1つのパックに強さの異なる複数のテーマが存在する」ことが長らく続いてきました。
これはマスターデュエルでの追加パックを見れば解りやすいと思います。【軍貫】や【魔鍵】で【相剣】や【ふわんだりぃず】に勝てるかと聞かれると熟達の人でも困った反応をするでしょう。あるいは「メタを張れば」「そのデッキだけを見るなら」と言われるでしょう。
そしてそれはランクマッチで用いられるデッキだけを軒並み使用不可にしても変わりません。その次に強いデッキたちがそれ以外のデッキを駆逐するだけです。
そういった「強さの段階」が地層の如く積み重なっているのが現代の遊戯王です。
現実のフリー対戦ではこの「デッキごとの実力差」を人の知識で合わせたデッキを選ぶことで「デュエルが成立する実力差」を成立させているのです。
カジュアルマッチにおいてはこの「調整」の機能が存在しないため「実力が同程度」のデッキに巡り合う可能性は低くなります。
レートの概念も存在しないため、シンプルに「強いデッキは自分より弱いデッキと当たりやすい」「弱いデッキは自分より強いデッキに当たりやすい」マッチングが実現します。
おそらくカジュアルマッチを望む方にはここを誤解している人も多いのではないでしょうか。
ちなみにデッキの強さを計算することはシステムには不可能なので「同じ強さでマッチングさせる」のは土台無理な話です。
 
誤解『カジュアルマッチでは手札誘発や妨害がいない』
これは明確にNoです。
なぜなら「先行後攻を問わず1ターンキルを行うデッキが存在する」からですね。
例えばbotで有名になった【イグナイトワンキル】がありますね。これは人の手で開発されたもののうちbotでも扱えるものが利用されたに過ぎません。
先行でぶん回すデッキには先行制圧もあります。
例えば《ハリファイバー》と《アウローラドン》を用いた展開のセットは現時点では特に規制されていません。(むしろ先日の追加パックでサーチを封じる《超雷龍》が出てくるようになりました)
むしろ先行制圧は格上にも勝てる可能性を提供しているとすら言えます。
そして、これらに対抗するためには手札誘発は必須です。それゆえに手札誘発は一定の確率で使われます。(使わない人はこうしたワンキルを全て諦めた人だけと思ってください)
では「同じ強さなら手札誘発を使わない選択はできないのか」となりますが、それもできません。
デッキに入れてしまったカードは引いてしまうものです。そして引いてしまったものは使わなければそのぶん損をします。
つまり、「自分は手札誘発を入れていないのだからお前は手札誘発を引いても使うな」と求めるの「引いた手札誘発ぶんだけお前の手札を少なくしろ」と言っているのとまったく変わりません。
なので加減はしてくれるかもしれませんが負けそうな時にはさすがに使われます。それは「手札誘発を入れている悪いやつ」ではなく「手札誘発を今まで使わないでいてくれた優しい人」です。
カジュアルマッチだから手札誘発や先行制圧は来ないと思っている人は安心してください。手札誘発も先行制圧もカジュアルマッチにはあります。とはいえ当たる確率が少なくなるとは思います。
 
誤解『ランク用のデッキはカジュアルに来ない』
これはめちゃくちゃ都合のいい誤解です。
カジュアルマッチはどんな目的で来ても許される場所です。
蹂躙することが目的で環境デッキを使う人もいれば、新しくランクマッチで使うための練習や試運転として持ち出す人もいます。
したがってこのようなデッキと当たった時には「目的が違うんだな」と思って諦めましょう。無理に付き合う必要もありません。サレンダーは正当な権利です。
 
誤解『ランクで活躍してるカードはカジュアルマッチには来ない』
これも都合のいい誤解です。
例えば《鉄獣抗戦》ってめちゃくちゃパワーカードがありますよね。あれって種族が対応していればどんなデッキにも入りうるんですよ。
例えば【紋章獣】で《ユニコーン》を使い回したり《レオ》の効果を使うために《抗戦》と《鉄獣戦線》リンクモンスターを採用するのはまっとうなひとつのアイデアなんです。
他の例として【LL鉄獣】がデッキあります。あれは星1の鳥獣族であるLLがたまたま《ナーベル》を引っ張り出せるって理由でドッキングした結果「強いテーマと強いテーマが手を組んだ」形になっただけであって「相性の良いカードを組み合わせる」という全てのプレイヤーに許された当然の権利を正しく利用しているに過ぎないのです。
ただポケモンでたまに聞く「最後に好きなポケモンを抜いたら完成です」みたいなことが遊戯王でもよく起きるんで、その葛藤に踏み込まないよう頑張ってるプレイヤーも少なからずいます。
飲まれない程度に上手くワンポイントで活かしてるデッキにはトラウマと同情を隠して称賛を送ってあげてください。(伝える方法はないんですけど)
 
だいたいこんな感じですかね。
まとめるとこんな感じです。
「カジュアルマッチは誰がどんな思想で使ってもいい」
「同じ思想と近い実力という条件が揃った時にデュエルが成立するマッチング仕様」
「強いと分かってるカードは相性次第でどこでも見かける可能性がある。なぜならそのカードは強いから」
「手札誘発は負け戦を減らすための当然の権利」
 
個人的にはもう少し凝って勝率でマッチングくらいはしたかったなと思うところですが、とりあえずカジュアルマッチそのものの実装は今後の展開も込みで期待しています。
 
最後に現代遊戯王と遊戯王MDにおける手札誘発の実情を紹介して終わろうと思います。
ランクマッチなど勝利を争うことが本命である環境では手札誘発は必須カードになります。
もしサイドデッキも含めて手札誘発の入っていないデッキが入賞したら「手札誘発なしで挑んだチャレンジャー」ではなく「手札誘発を入れられない事情のあるデッキだった」「汎用的な手札誘発の役割を担えるカードがデッキの中に存在していた」と考える方が圧倒的に正しいです。
しかし、カジュアルな場面では手札誘発は常に飛び交っているとは限りません。
というのも、手札誘発は現代インフラの割に高いカードです。
すべてのデッキに3枚入るというのに大して供給量やレアリティが優しくないんですよね。デュエマの《フェアリー・Re・ライフ》くらいにはばら撒いて欲しいんですが。(ちなみに増殖するGだけは割と安価です)
そんなわけで「何枚あっても足りないのにそんなに買ってられないので入れられない」という現象が当たり前に起きています。
そのために身内レベルで「手札誘発はガチ構築のデッキだけ」「手札誘発そのものをやめよう」といった提案がされることが結構多いと思います。
そもそも手札誘発と対抗手段の投げ合いそのものが不毛だと感じる人も多く、カードの供給不足という環境がこれらの意見を後押ししている感じです。

しかし、マスターデュエルでは事情が違います。
ランクマッチ用に作った手札誘発は特にそれ以上の対価を払うことなく他のすべてのデッキで利用できます。
手札誘発を持っている人はこれから作るすべてのデッキに手札誘発を入れます。
そのため「手札誘発を入れない」理由が弱く、上記の通り「何もできずに負け盤面を作られた」を防ぐためにも手札誘発は十分量入れる人が多いと予測されます。
なので「手札誘発が存在しないマスターデュエル」はデュエルルームでもない限り存在しないと言って過言ではありません。
手札誘発を入れない人も「手札誘発がある」想定でデッキを組まざるをえないのです。
 
手札誘発自体「先行展開が強すぎる」という理由で作られた概念であり、それ自体ももう10年以上前です。
今更手札誘発なしの環境は作れません。モンスター効果が連鎖する環境も遅くすることはできれど弱くすることはできません。
 
遊戯王というカードゲームとしても、そういった環境を嫌いレガシーな環境を求める人のために「ラッシュデュエル」というものを作ったのだと思っています。
ラッシュデュエルは結構好評な声が多いので「遊戯王はダメだ」と思うならば一度体験することをおすすめします。
 
改めてこんなところですかね。これでカジュアルマッチへの誤解が減れば幸いです。
それでは。

【MHR:SB】攻勢というスキルはどういうものか【スキル考察】

2022年07月17日 05時37分00秒 | 考察

スキル:攻勢とは

今作初登場の「攻勢」というスキルがあります。

名前からは想像しづらいですが、MHF-Gにあった「状態異常追撃」のようなスキルで
「攻撃対象が毒状態、または属性やられ状態の場合、攻撃力と会心率がアップする」という効果になります。(絶対に状態異常追撃の方が解りやすい)

このスキルがどの程度を強さがあるのか、相対的な数値で測るためには比較をしてみるのが一番手っ取り早いですね。

代表的な火力スキルとの比較

特徴や数字を見て真っ先に比較候補になるのは「連撃」と「挑戦者」かと思います。
連撃は「装飾品が存在しないが、護石では登場している」ことと「最大SLvが等しく、SLv1が最も効率が良い」という点が類似しています。登場時期も近いですね。
挑戦者は「戦闘中特定の期間だけ発動している」ことと「最高レベルでの数字がよく似ている」ことから連想されるものですね。
それぞれを比較して考えていきましょう。

連撃と比較する場合、攻撃力+10という数字は先程名前を挙げた「連撃」のSLv1と同一の攻撃力加算であり、発動条件と属性値も加味すれば連撃の下位互換です。
一方でSlv2以降は連撃が物理属性の両取りとして純粋にアッパーされ、攻勢は攻撃と会心率の物理二刀流の形になります。
担ぐ武器にもよりますが、属性をきちんと選んだ場合は連撃、属性を意識しない場合は攻勢と差別化されているように思えます。

挑戦者と比較する場合、挑戦者は最大となるSlv5で攻撃力+20&会心率+15%と攻勢Lv3の数値を逆にしたスペックを持ちます。
計算上、スキルを加える前の攻撃力が400未満ならば挑戦者の方が高い効果が期待できるため、現環境では挑戦者の方が優秀な火力スキルと言えるでしょう。

これら2つのスキルと運用面を比較すると、
連撃は攻撃が当たりさえすれば少なくとも+5という最低限のバフが得られるのに対し、攻勢は実際に「毒or属性やられ」を発症させる必要があります。結果、明らかに有効時間で連撃が優位です。(連撃が十分機能しない武器種・運用では毒を維持することはそれ以上に難しいため、実用上は攻勢が連撃を上回ることはほぼありません)
挑戦者の発動条件である怒り状態は戦闘の半分以上は効果が発生していると考えて良いでしょう。一方で毒状態は一般的に30秒と持たず効果が消滅します。詳細は後述しますが、毒には向かい風がとにかく多く維持は非常に難しいと言えます。
このように運用面からも攻勢というスキルは費用対効果が高いとは言いづらいものになります。

毒の維持は難しい

挑戦者との比較でも触れましたが、今作の毒状態は非常に維持が難しいものになっています。
過去作では「毒は短時間に与えるダメージは小さいものの効果時間が長く、継続ダメージにより最終的なダメージは半端な属性値を上回る効力がある」ものでした。
Worldからの頃にはごく一部を除く多くのモンスターは毒状態が効果時間が半分以下まで下がった一方、時間あたりのダメージが大幅に上昇しています。
Worldをシステム的基盤とするRiseでもその点は変わりなく、大抵のモンスターは25秒しか持続しません。
Riseからは過去の「毒状態でも毒蓄積はされる」という仕様を取り戻し多少の追い風を受けていますが、それでも耐性が回数に伴って上昇していく中で常に毒状態にし続けるのは至難の業です。
そしてトドメに傀異化モンスターは軒並み体力が多く(毒属性が活躍しにくく)、状態異常耐性自体が高いという特徴があるため二重に向かい風を受けています。

これに対し、公式からの回答は「毒状態の時間を延長するスキル」すなわち「霞皮の恩恵」(Worldではシリーズスキル「毒ダメージ強化」)の実装です。
毒の効果時間が2倍になるこのスキルがあれば「毒を維持する」という観点から見れば毒属性値が2倍以上になったと思ってもらって相違ありません。
「霞皮の恩恵」を持つオオナズチの防具が「攻勢」スキルを多少なり持つことから、これを前提にした運用を勧められているように思えます。
毒ダメージがどれほど頑張れるのかにもよりますが、実用的になる可能性を捨てるには早いと考えています。

ただちょっと待って欲しいんですよね。ナズチ防具のスキルの配分に異議ありです。

「霞皮の恩恵」が全ての元凶

ナズチ防具は足に「霞皮の恩恵」のSPが集中しています。そしてエスピナ防具の足は攻勢を構築するのに優秀なスキルが多く集まっている部位でもあります。
そのため「エスピナ足の優秀なスキル構成を選ぶ」か「霞皮の恩恵を選ぶ」かの致命的な2択を迫られることになります。
攻勢スキルはエスピナ防具とナズチ防具の2つにしか搭載されていません。その中で喧嘩をされては組めるスキルも組めなくなります。
事実、自分の護石(攻勢2,スロット2,1)では霞皮の恩恵を諦めた場合には攻撃7まで盛れましたが、霞皮の恩恵を積んだ場合は良くても攻撃3(Lv2スロット×3)しか積めない状態になりました。
流石にこれだけの差があると同じ武器でも攻撃力そのものに1割近い差が生まれます。その差を毒だけで覆すのは到底不可能です。

なお、霞皮の恩恵を採用した防具には「フルチャージLv1」「破壊王Lv2」といった「毒を運用する上では相性の良くないスキル」が発生しています。
本当に装備の組み合わせが絶望的に悪いのです。

つまり、現状で「他に劣らない実用的な攻勢装備を作る」ことが不可能、あるいは非常に困難な状態にあるといえます。
第一弾無料タイトルアップデートではナルガクルガ希少種が予告されエスピナス亜種も期待されていますが、それで大幅にスキルが伸びる可能性は低いと考えられます。
(それらの防具が既存防具を覆せるほど強力であったとしても、ナズチ足由来の相性の悪いスキル(フルチャージ)は野放しです。)
これはナズチ防具の問題のため、「霞皮の恩恵」スキルを持った防具や装飾品が新たに登場しない限りは根本的な解決を見込めないと言っていいでしょう。

この辺りはシリーズスキルが構築の幅を狭めていた理由をそのまま背負っている感覚がありますね。
固有スキルが装備の幅を狭めることは開発も理解しているでしょうに。
(そもそも過去作から混合装備が推奨されていた理由は「都合のいいSPを持つ部位を組み合わせて理想的なスキルを構築できる」ところにありました。
 シリーズスキルはその行為を否定する天邪鬼な存在です。その癖に二つ名防具のような優秀な組み合わせがほとんど存在しないので「シリーズスキルのために他の全てを捨てる」か「シリーズスキルをそもそも諦める」かを迫られたのがWorldおよびIBの発売時点の状況であったことは忘れてはなりません)

とはいえ、上記の通り問題は「霞皮の恩恵」スキルをナズチ防具が独占している現状が良くないのです。
この状態自体が解消されればそれ以外の状況は変わらずとも装備構築の自由度は格段に広がります。

しかしですよ、しかしです。

運営は期待させるだけの積み重ねを持っていない

結局はこれに尽きるのです。

実のところ、MHFでも同様に新スキルが登場したときには「そのSPを持つ装備・装飾品が少ない」という理由で使いづらい時期は短くありませんでした。
半年近い、もしくはそれ以上の時間を掛けて徐々に装備や装飾品も増え、ユーザ人気の後押しを受けながら徐々に環境に浸透していくことが日常茶飯事でした。

しかしそれはMHFがアップデートを前提とした数年単位の長期展開型のゲームだったからこそ実現したことであり、
その形式を実際に数年以上続けたという実績があったからこそ受け入れられていたのです。

しかし今のモンスターハンターではそうはいきません。
WorldからIBになるにあたってプロデューサーが変わり、Riseでもサンブレイクでもプロデューサーが変わり、
すでに完成度が高く人気のあるものが中心にあるためマイナーなスキルには見向きもされず(IBで起きた現象)、
サンブレイクでは長期展開自体に不安が払拭しきれておらず(Rise時代の負債が原因)、
挙げ句「属性遊びが楽しめる」旨の発言をしておきながらそれは数回のアップデート後の話で最初は「嘘」や「勘違い」と捉えられていました(IBで実際にあった事件)。

開発がユーザに説明する義務は無いのですが、期待や信頼をさせるだけの行動は起こさなければなりません。
「期待や信頼」を起こさせず、裏切られた経験がある。今まで通りの行動で「信じてくれ」というのは狼小僧のようにしか聞こえないのです。
間違っていないかもしれないがあまりにも待たされ過ぎた。期待外れだった。それが流行る前にユーザが環境を定義しきってしまっていた。

結局はモンスターハンターシリーズの広報が弱すぎるという話になります。
今までがちゃんとしていれば、こんな愚痴のようなコーナーなど必要なかったのです。

それでも不安は拭えない

仮に開発に大いにやる気があり、各種スキルについて変革をする予定があるとしましょう。
しかし、例えば「鋼殻の恩恵」や「炎鱗の恩恵」などは名前からして特定のモンスターに強く紐づいたスキルです。これが関係のない防具や装飾品として出てくるのは大いに違和感があります。
モンスターの関連性をそのままスキル名にした「伏魔響命」など新スキルでも同様のものが見られますし、「風神合一」についてはシステムレベルで装飾品にできるかが怪しいです。

もはやこれは「やる気」の問題ではありません。構造上の問題です。
「モンスター名を冠したスキル」「モンスターの生態に強く紐づいたスキル」を登場させるとこういうことになるのです。
(唯一MHF-G「紅焔の威光」というスキルは汎用スキルとして定着したことが期待を持たせているのが逆に質が悪いです)

おそらく攻勢は装飾品になるため改善は見込めますが、根本的な問題である「霞皮の恩恵」自体は改善がとても難しいと言わざるを得ません。

それでもその「難しさ」を破ってきてくれるのであれば、改めて「攻勢」というスキルがちゃんと強いのかを考えることができると思っています。

それでも今考えるのならば

熱弁になってしまったので、ちょっと冷やしていきましょう。

「攻勢を狙って霞皮の恩恵を積むと毒の強さがそのまま装備の強さになる」旨の話はしましたね。
これはあくまで「毒を使う人だけが攻勢を使う」場合の理屈だというのは気づいているでしょうか。

攻勢の適用条件はこうです。
「毒 or 属性やられ状態のモンスターを攻撃した時」
そう、発動のために毒に特化する必要があるだけでスキルの恩恵自体は攻勢単独でも受けることができるのです。

4人PTで挑んだとき、誰か一人が毒状態にすることに腐心し、ほかは攻勢の「強いところ」だけを得られるような運用は現時点でも可能です。
実際にエスピナ防具の胴、腕の部位はそれぞれ破壊王、剛刃研磨を積む上で優秀なところにオマケで攻勢も持っているという形になっています。(尤も、破壊王は人気が低い上に相性の良い血氣スキルがメルゼ防具の胴にあり、剛刃研磨はセイラー腰が優秀過ぎるため「勝手に攻勢も入ってきた」現象は起きにくくなっていますが)

この傾向が今後の追加モンスターでも継続されるようなら「勝手に付いてくる攻勢」を「より洗練された攻勢を活かす装備構築」が利用したり
「毒を使いたい」というプレイヤーの提案に「それなら装飾品で攻勢を付けていくね」といった流れも発生しえると思っています。

ただ、後者については疑問が残るんですよね。
なにせ現状「部屋」というものが十分に機能しておらず、Worldから引き継いだチャット機能や他人の装備を確認する機能が驚くほど使い勝手が悪いのでコミュニケーションがとにかく取りづらいんですよ。
その中で「示し合わせる」ことはできないのではないか、というのは開発の想定と大きなズレを感じる部分ですね。
その辺り救難信号の狩猟笛のようなものだなあと感じています。

PT単位で見れば可能性は感じるのですが、どこか片手落ちな部分のあるスキルだなあ、というのが考察してみての印象でした。

 

余談:前世の状態異常追撃スキルはどうだったか

攻勢のスキルにはモンハンの中で類似するスキルがあります。
MHF-Gに登場した「状態異常追撃」というスキルです。
あくまでモンハンの中に限りますが、攻勢の前世はこのスキルではないかと考えられます。

この「状態異常追撃」は「状態異常中に攻撃を加えると『自身の武器の状態異常値に応じた追加ダメージが発生する』」仕様でした。
このため毒に特化し毒漬けにした後、その状態異常値自体が攻撃力として転化するため、高い毒属性値が無駄にならない作りだったわけです。

その状態に「追加ダメージは肉質無視ダメージ」「毒の効果時間が全体的に長い(≒毒の効果量が低い代わりに常に霞皮の恩恵が働いた状態)」という事情があり、
MHFでは最大HPを伸ばさずに全体防御率と肉質を下げることで耐久力を表現していたため、この「肉質が低い」モンスターにピンポイントで刺さる例が報告されていました。(具体的に、超高難易度として登場した「極み吼えるジンオウガ」は「全体防御率が極めて低く」「肉質が十分に低い」モンスターだったため、毒状態が全体防御率を無視する仕様と合わせて有力な属性・スキルではないかと真剣に研究されていたことがあります)

それと比較して、攻勢はあくまで「攻撃力を上げる」ことに留まり、肉質の影響はきちんと受けることになります。(そしてこれは毒漬けにする戦い方に反しています)
そして今作は「全体防御率」という項目が事実上存在しておらず「全体防御率が下がり毒が強くなった」という現象が起きなくなっています。
そして何より、「毒状態を維持するために高い毒属性値を持つ武器を選ぶ」行為に対するリターンが用意されていないのは気がかりなところです。

今の効果に加え、毒属性値の何割かを攻撃力に加算してくれれば霞皮の恩恵の重さを考慮しても「強い」スキルだったと思うんですけどね。
非常に勿体ない話です。

最後に

個人的には毒属性に注目したスキルは特に大連続狩猟などにおいて面白いものだと思っており、(状態異常耐性が不細工に高い)傀異化ではないモンスターに対しては試す価値ありと判断しているスキルです。

兎にも角にも最初の大型アップデートが1つの分水嶺だと思うので、その結果を待ちたいと思います。
せめて装飾品になってくれると嬉しいですね。

以上で今回の考察を終わります。
長文お読みいただきありがとうございました。


FBF禁止案

2022年07月11日 06時00分00秒 | 日記
ガンランス、というよりFBFがマズイことになってますね。
World初期の斬裂弾にも匹敵します。

現状を伝えると、「ガンランス使いをとりあえずキックする」流れが完成しつつあります。
体験版かつソロプレイの情報を鵜呑みにした各種情報源の失態であり、意識無意識問わず積極的な地雷行為を行うハンターの噂によるものであり、そしてFBF自体がそれだけの地雷行為を容易に発生させるものであることがこの流れを確固たるものに押し上げています。

これを開発に訴えることも必要ですが、斬裂弾のような素早い対策が取れる可能性は低いと考えています。
何故ならそのためにはFBFという鉄蟲糸技にデザインレベルで手を加える必要があるからです。
FBFはガンランスにおいては唯一といえる高威力の鉄蟲糸技であり、ガンランスの集大成とも言える傑作です。
それに吹っ飛ばしがあるということは吹っ飛ばしによる使いづらさも加味しての威力設定なのでしょう。(実際、弱点を狙えない場合にはFBFはガンランスでは最大のダメージを叩き出します)
それに対して斬裂弾の時のように威力も含めた修正を施した場合には斬裂弾の時以上の強い批判を覚悟しなければなりません。実際、ガンランスはIB体験版でひと騒動起こすほど自身の武器に対して関心が高いことが知られています。

威力をそのままに吹っ飛ばしだけ緩和する処置は取れない。
威力を下げる斬裂弾式では評価の下落が怖い。
そもそも斬裂弾とは格が違う。
これらの要素から斬裂弾より時間が掛かり、タイトルアップデートまで待たされるのではと考えています。

しかし、時間はそれまで待ってくれません。
ガンランスが完全な出禁になるまでは最早時間の問題です。
私達ガンランサーは、そのためのレジスタンス活動を行う必要があります。

具体的には、FBFを封印します。
「使わない」ではなく「持ち込まない」ことを徹底します。ヘイルカッターを振ってFBFを持たないことをアピールするのもいいかもしれません。
とにかく「このガンランス使いはFBFをマルチで絶対に使わない安心できるハンターだ」と思ってもらいます。同様の活動を行うガンランサーが多ければ多いほど効果的です。
これにより「FBF」と「ガンランス」を可能な限り切り離し、FBFを使う地雷ハンターとは別物だと認識してもらえるよう努めます。
これにより、真っ当に戦うガンランサーを認めてもらうことがこのレジスタンス活動の目的です。
それでもFBFはガンランスの一部なので警戒心の強い人からはキックされることもあるでしょう。しかし、やらないよりは遥かにマシです。

以上がレジスタンス活動の内容ですが、この活動にはその先のいくつかの可能性を見据えたものでもあります。
「FBFがマルチでも使えるようになった時に出禁状態から1日でも早く解放されること」です。この活動は、その信頼を得るためにも役立ちます。

...以下はもしもの話ですが、僅かでもそういう可能性があるなら賭けてみる価値はあると思います。
ふたつめはガンランスの味方を増やすことです。ガンランスは他にもデザインレベルの課題を抱えています。それを認識してくれる人が増えるならばそれほど頼れることはありません。
みっつめはIB体験版の時の汚名返上です。非常に不本意ですが、当時の活動そのものを批判的に捉えている人もいます。(こちらとしては本当に必死の訴えだったのですが……)平和的レジスタンス活動がこれに対する中和作用をしてくれるかもしれません。
また、もしガンランス使いが増えるのなら嬉しい限りですね。大盾を持つ武器は総じて使用人口も少ないですし。

改めてになりますが、今回の提案の確認と補足をば。

活動内容は「FBFを持ち込まない。使わない」こと。
達成目的は「FBFを使わないガンランサーの人権を少しでも維持すること」
そして「FBFの修正後の人権再獲得を早めること」
になります。

ここからが補足。
当然、ユーザとしてこの活動を行うだけでは周りには伝わりません。SNSを通じて「FBFは使いません」と宣言することで仲間と理解者を同時に増やすことができます。
そしてもう1つ重要なこと。狩り仲間が認めるのであればFBFは使ってもよいでしょう。その上で是非を問い、「やっぱり駄目だ」となったら改めて身内でも封印をします。その狩り仲間が既に理解者であることが前提になりますが、FBFの問題点の再確認に繋がるからです。(もしその狩り仲間がこの活動に理解を示した投稿をしてくれれば嬉しい限りですね)

もう1つ。
自分は一切FBFを行わないつもりでいますが、「節度を守りつつFBFを使いたい」人もいると思います。
そんな方はこちらのtweetにて範囲などの検証や有益な情報が確認できるので是非とも参考にしてみてください。



自分はFBFも使いたいですが、それ以前にガンランスを使い続けたいと思っています。
人によってはある意味当たり前の小さな活動でも、それが理解されそのための道筋になるのなら根気強く続けていく所存です。
同意してくれる人、同じ想いのガンランサーがいるならば、どうかご協力をお願いします。