「お客様は神様」(長文失礼いたします。)
今宵はレストランでピアニストの仕事。
ご縁をいただいて、こちらでもう2年近く
月2回、ピアノ演奏の仕事をいただいている。
休んだのは父の葬儀の時1日だけ。
いつものように演奏していると
奥の客室からお客様がでていらした。
お帰りになるのだなと、弾きながら見ていると
ロマンスグレーのご夫婦が
ピアノの側までいらして、奥様が
「目をつむってじっくり聴かせて頂きました。
心地よくて、とても癒されました。
途中で帰りますが、これは少しだけど」
そう仰って、ピアノの上に千円札を
そっと置いて下さいました。
演奏中だったので、
できる限り頭を下げてお礼を申し上げた。
本当は立ち上がってご挨拶したかったけれど
精一杯感謝をお伝えした。
演奏しているところからは
直接お客様は見えない。
すぐ近くのカウンターにも背を向けているので
感覚を駆使してお客様の様子を伺いながら弾いている。
会話が途切れた時に流れている音楽が
心地よいと感じて頂けるよう
生演奏だからこそ
リアルタイムで生まれる音の心地よさを
感じてもらいたい、それを目指して
この店で学ばせて頂いてきたので
今宵お客様から頂いた言葉が
嬉しくて、嬉しくて涙が出そうだった。
自分なりに色々悩みながらも
心込めて演奏に向かい合えば
感じてくださる方がいるのだと
ご夫婦を通じて神様が
メッセージを下さったように思えた。
頂いたお金は大切にお守りにして
これからも精進していこう。
お客様は神様。
そして今宵も全てに感謝。