美と知

 美術・教育・成長するということを考える
( by HIGASHIURA Tetsuya )

スケッチのすすめ11 人物は頭身を測る

2006年09月13日 | スケッチのすすめ
「人物は頭身を測る。」

人物画を描くときには、必ず言われることです。
人間の場合はとにかく頭の大きさがすべての基本となります。

今回のポイントは、頭身を測るということと同時に、その測り方にあると言えます。
腕を垂直に伸ばし、鉛筆を腕に垂直になるように持ち(構え)、親指と鉛筆の先で1の単位を作り、その1の単位の何倍あるかをしっかりと測るのですが、これはフォームがしっかりしていないと、なかなかうまくいきません。
しかし、絵を描くにあたってぜひこれはマスターしたい技術なのです。


また、頭身をはかるだけではなく、ひじから手首までの長さ、足のサイズが頭とほぼ同じサイズであることや、目の位置は頭の半分の位置にあることなど、知識として知っておけば人物画を描くときに役立つ比例関係がいくつかあります。

また、人物も「直線で描く。」ということを忘れずに形を探していきましょう。

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スケッチのすすめ10 手前のものを早く描く

2006年09月12日 | スケッチのすすめ
「手前のものを早い段階で描きましょう。」

風景スケッチなどの作画過程を黙ってみていますと、たいがいの方は、遠くのものから順番に手前に向かって描かれます。
そうするとどうしても手前と奥というダイナミックな構成が弱まり、距離感の乏しい絵になってしまいます。あるいは手前に描こうと思っていたものを描くスペースがなくなってしまったりもします。

手前はこうだ!と力強く描いて、その対比で奥に見えるものを描いていったほうが遠近の印象のはっきりした作品が生まれます。
手前のものを早い段階で描くことは、手前と奥の対比をしっかりと作るポイントです。
そしてそれは絵の構図、構成を安定させ、強い画面を作ることとなります。

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スケッチのすすめ9 中心をみつける

2006年09月11日 | スケッチのすすめ
「中心をみつけましょう。」

描きたいものの中心と、絵の画面の中心をあわせると、構図の大きな失敗はありません。

風景でも、静物でも、人物でも、画面の真ん中に、描きたいものの真ん中が合います。(構図の効果のため意識的にずらすことはもちろんありますが、形のとり方の不安な人はまずこれは心がけてください。)

画面の上から描いていったら、下が入らなくなったとか・・・良くあるパターンですが、中心から上と、中心から下、中心から右と、中心から左という具合に意識すれば、描きたいものが画面からはみ出してしまうということはなくなるのです。

画面の中心をしっかり意識しましょう。そういう意識で作品を見てみてください。
絵画でも書でもバランスがしっかりした作品は、画面の対角線と中心のポイントがしっかり意識されていることを発見するでしょう。

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スケッチのすすめ8 直線で捉える

2006年09月09日 | スケッチのすすめ
「直線で捉えましょう。」
「三角形の関係で捉えましょう。」
「かたまりで捉えましょう。」
「30度、45度、60度、90度」


と私はよくアドバイスします。
言い方は違いますが、ねらっているものは同じことを言っているのです。
これらはかなり形を捉える上で大切なことを言っています。


ものの形のポイントとなる点と点を直線で結ぶことで、位置関係が明確になります。ものの動きの方向感(ベクトル)がはっきりするのです。

ポイントを結ぶ線が曲線だと、位置関係や、動きの方向感があいまいになってしまい、絵の大きな構造もなくなってしまいます。だから直線がいいのです。

直線は必ず角度を形成し三角形を形成します。
角度と言ったときに、傾きが「なんとなく右上がりかな・・・」という認識ではなく「右上がりに、30度よりは大きく、45度よりは小さいかな・・・」とか精度を高めたいのです。
50度の角度と言われてもピン!ときませんが、45度の角度はわかります。それは、見慣れた直角三角形の持つ角度だからです。60度の角度も直角三角形の形をイメージすることで具体的にイメージでき、いいかどうかということを自分で判断できます。この判断が大切なのです。

直線をひくというときにあまり小さな単位に反応しすぎると方向感の無いジグザグになってしまいます。対象を大きなかたまりの単位で捉えて、ポイント同士を直線で結んでみることで、正しい形が見つかりやすくなります。

正しい形へのセンスを鍛えるには必須の内容なのです。


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スケッチのすすめ7 目を細める

2006年09月08日 | スケッチのすすめ
「目を細めてみてみましょう。」も重要なアドバイスです。

普通に目を開けて見ている状態と、目を細めて見ている状態では、対象の見え方がずいぶん変わります。ぼやっとして見えますね。

ぼやっという状態は、細かい調子のグラデーションの微妙さがあいまいになり、さらにものとものの境もあいまいになる見え方です。
しかし、ぼやっとした中にも、明るい調子の領域と、暗い調子の領域が分かれて見えるのです。

特に暗い部分の位置、面積、形に素直に反応して、そこを画面で暗く見えるように調子を暗くしていくと結構空間の中にものが大きな関係で存在するという状況を表現することが出来ます。

これはプロも必ず行う大切なものの見方です。

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