大木が○○○に変身 (WOOD JOB 24)

2018年06月06日 | エトセトラ

 現在では、伐り倒した丸太は機械で麓(ふもと)まで集材し、そこでも機械でトラックに積み込まれて山から町へと運び出されています。大きく便利な機械が活躍しますので丸太はさほど痛むこと無く町まで届きます。しかし、林業用機械の無かった時代は、丸太をうまく集運材しないと痛んでしまい市場価値が下がってしまうので、いろいろと工夫しながら集運材されていました。

  劇中では、伐り倒した針葉樹丸太の木口(切口)を少し丸みをつけるように削っています。
 祭りのためだけではなく、林業的にも意味のあることです。
 機械の無かった時代、丸太を引きずり出すため、丸太を直角に切ったままで地面を引きずると、抵抗が大きくなって引っかかりやすいこと、丸太が割れやすいことなどから、丸太を少し長く切り「ときん」(映画の中で行われるように、木口を鉛筆削りで少し削った状態にする)を作り引きずり出されていました。

 このほかにも、丸太を引きずりやすくする工夫を上げると、丸太の端に「目度穴」(丸太端に穴を開けたり、リング状に削り込ん加工)をつくり、そこへロープを結び丸太を搬出されていました。
 丸太の端に「とちかん」又は「引きかん」と呼ばれる輪の付いた大きな釘を打ち込みロープを結び搬出もされていました。
 最近では地引をする場合、木寄せキャップ(鉛筆につかうキャップを大きくしたものと思ってください)などが使われています。

 ところで、映画の中では木馬(きんま)と呼ばれるソリに丸太が乗せられます。ソリに乗せて運ぶので丸太が傷まず「ときん」(丸太の端に丸みをつけること)を作る必要がないと思われますが、なぜか「ときん」がつくられています。
 その理由は、祭りのために必要な加工だからです。それは丸太を少しばかり男性○の形に似せるためなのです。
 以前、スギ・ヒノキは、平地・傾斜地を問わずまっすぐ力強く天に向かって伸びる様が縁起がよいと述べましたが、樹形・成長での勢いを男性○に例えていると思います。
 学生たち、そんな意味があるのかとびっくりでした。
YAS


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