勇気の同級生が訪ねてくる場面ですが、単なる同級生の集団ではなく、スローライフ研究会の一員として訪ねてきます。
スローライフ研究会が、来村当日、市内のホテルから神去村へ通い、村の生活体験や林業の作業風景を見学したいと申し出のあったシーンがあります。町中の便利な生活を維持しつつ、あこがれののんびりした田舎生活を味わおうとしたスローライフ研究会の面々が、地域の方々に発する失礼な言動の数々に対し、勇気の怒りが爆発し追い返されるシーンです。
勇気が神去村になじみ、よさが分かってきたころではないでしょうか。
口先だけ・うわべだけで田舎生活よしとすることについて、劇中のスローライフ研究会をとおして田舎生活への安易な言動を映画は批判しているのではと思います。
林業科の外部講師で古民家再生も手がける住宅建築会社のA社長が、再生古民家や新築住宅の視察時に学生たちに述べておられました。
一般の皆さんがよく再生された古民家を視察して、こんな家にノンビリと住んでみたいとか、日当たりのいい縁側で寝そべっったり、月を眺めながら一杯飲んだりするのが憧れですとか言われます。
しかし、現代風に多少直されているとはいえ古民家で生活するには相当な覚悟を持って移り住まなくてはなりません。
なぜなら、今住んでいる現代の家と比べ、天井が高く隙間も多く冷暖房が効きにくいなど不便な部分がかなりあります。虫も隙間から出てくるかもしれません。併せて広い庭の手入れも必要になります。
また、家の場所が農村部であれば、近所づきあいも大変で町部とは違っていろいろな行事つきあいが待っています。
古民家住まいを希望される皆さんには、この様に申し上げています。と学生たちに説明をしておられました。
映画でのシーンや林業科外部講師A社長の発言には、安易な気持ちで田舎暮らしや古民家住まいに入るな、安易な気持ちで入ると地域方々に失礼であり、迷惑がかかるし、自分自身も大変だと警告するような共通点がありそうな気がします。
YAS