是枝監督が要請に応じて単身韓国に乗り込み、現地のスタッフで撮った「ベイビー・ブローカー」。カンヌでは最優秀男優賞(ソン・ガンホ)とエキュメニカル審査員賞の2冠。
モチーフは赤ちゃんポストに捨てられた子供たちが、自分が生まれたことを肯定できずに大人になっていくという現実。
「捨てるなら産むなよ」と思っていた観客が、最後にはその言葉を口にできなくなる映画を作ろうと思った、と是枝監督は語っている。
涙を流さずにこの作品を観れる人はいないだろうが、泣ける映画という言い方はふさわしくない。それは軽すぎる。