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あたり前のことだが、わたしたちの生活は、将来のための手段的行為(勉学や仕事)と、現在を楽しむ、あるいはやり過ごすためのコンサマトリー(即時充足的)な行為との連鎖により成立している。なんらかの物質、行為、関係性に取り憑かれ、後者のみに終始するようになると、いずれ、生活は破綻する。
依存症あるいは嗜癖(addiction)とは、強迫的に特定のコンサマトリーな行為に耽溺する病であるといえるが、各種デバイスを常時電子ネットワークに接続し、SNS、ソーシャルゲーム、ブログ、掲示板、動画サイトを簡単に利用できる環境が成立したことで、それに耽溺し、勉学や仕事に支障をきたす問題が広がっていった。
何かを楽しむためには、主に賃金労働による生計の獲得、維持が必要だが、それが不可能になるほど、電子ネットワークでのコンサマトリーな価値の充足に耽溺し、生活を破綻させる者のための「治療」と社会復帰のためのリハビリテーションの方法が、本書では豊富な臨床例に即して解説されている。
目次
序章 ネット依存治療専門外来
第1章 「ネット依存」とは何か
第2章 「ネット依存」による心と身体への悪影響
第3章 「ネット依存」は治療できるのか
第4章 家族・身近な人はいかに対処すべきか
あとがきに代えて―スマホが手放せないあなたも危ない
1990年代半ばから「インターネット依存症」という言葉が聞かれるようになった。ただその頃は、まだほんの一部の特殊な人たちのことで、自分には関係ないと考える人が多かった。ところが、いまではもっと身近なものになっている。最初は誰でも「自分は単に人より少しネットにつながっている時間が長いだけ」と思うにすぎず危機感は持たない。それがやがて、生活に支障を来たすことがあるという。本書では、ネット依存に苦しむ患者さんやその家族のことについて、専門外来をもつ久里浜医療センター院長がわかりやすく解説。最新情報や家族に伝えたいことをまとめた 。
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