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本と音楽とねこと

考える障害者

ホーキング青山,2017,考える障害者,新潮社.(5.26.2022)

 重度の身体障がい者にしてお笑い芸人の著者が、障がい者をめぐるおかしな現象を取り上げ考え尽くす。
 「24時間テレビ」の偽善をばっさり切り捨て、返す刀で「バリバラ」の偽悪の作為性に悪態をつく。
 自らの障がいを武器に成り上がり、あげくのはてに健常者以上の強者と化した「乙武」に対してもたいへん手厳しい。
 共感するところの多いなかなかの好著である。

往々にして世間は障害者を汚れなき存在のように扱う。一方で、表には出てこないが、「厄介者」扱いする人もいる。そんな両極端の捉え方ってなんかヘンじゃないか―身体障害者芸人として二十余年活動してきた著者は、偽善と健前を痛烈に嗤い、矛盾と盲点を鋭く衝く。「24時間テレビ」「バリバラ」「乙武氏」「パラリンピック」から「やまゆり園事件」まで、本音度一〇〇パーセントで書き尽くした、前代未聞の障害者論。

目次
1 「タブー」を考える
2 「タテマエ」を考える
3 「社会進出」を考える
4 「美談」を考える
5 「乙武氏」を考える
6 「やまゆり園事件」を考える
7 「本音」を考える

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