半世紀以上むかしの家族にノスタルジアを抱き、当時もはびこっていた貧困、差別、子ども虐待と遺棄、DVなどを忘却する心性には、日米に違いはないらしい。家族問題が深刻なのは事実だが、約半世紀前より悪化しているわけではない、というより、社会環境の激変により、そうした判断を下すこと自体が無意味である。
過去にありもしなかったユートピアを捏造することなしに、冷静に家族の現在を観察することが大切だ。
目次
第1章 メディアのセンセーショナルな報道を超えて―歴史学と社会学はどうやって今日の家族を支援できるか
第2章 私たちはなぜ一九五〇年代を懐かしむのか
第3章 なぜ働く母親は減らないのか
第4章 結婚の未来を考える
第5章 離婚を正しい視点から眺めると
第6章 なぜ伝統は家族を救えないか
第7章 スケープゴートを探して―家族と経済変化
第8章 歴史的社会的変化の軽視が子供の危機をまねく
第9章 現実と直面する―今日の家族にみる長所と短所
離婚、共働き、非婚の母、晩婚化…。「家族のあるべき姿」とは違った生き方がなぜ増えているのか。それぞれが抱える問題を軽減するためにはどうしたらいいのか。社会学、歴史学をふまえて提言する。
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