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本と音楽とねこと

もう親を捨てるしかない

島田裕巳,2016,『もう親を捨てるしかない──介護・葬式・遺産は、要らない』幻冬舎('16.10.21)

 やや過激な主張にとらえられるタイトルだが、親孝行規範に縛られ苦しむ膨大な人々がいることをふまえると、これくらい扇情的であっていい。
 親は親、子は子の人生を、終生、自立して生きていくべきである。親が子の犠牲に、同じく子が親の犠牲になることはあってはならない。この当たり前の規範意識が根付くことを切に願う。

目次
第1章 孝行な子こそ親を殺す
第2章 日本人は長生きしすぎる
第3章 終活はなぜ無駄なのか
第4章 親は捨てるもの
第5章 とっとと死ぬしかない
第6章 もう故郷などどこにもない

年々、平均寿命が延び続ける超長寿国・日本。だが認知症、寝たきり老人が膨大に存在する今、親の介護は地獄だ。過去17年間で少なくとも672件の介護殺人事件が起き、もはや珍しくもなくなった。事件の背後には、時間、金、手間だけではない、重くのしかかる精神的負担に苦しみ、疲れ果てた無数の人々が存在する。現代において、そもそも子は、この地獄を受け入れるほどの恩を親から受けたと言えるのか?家も家族も完全に弱体化・崩壊し、親がなかなか死なない時代の、本音でラクになる生き方「親捨て」とは?

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