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本と音楽とねこと

「働き方改革」の嘘

久原穏,2018,『「働き方改革」の嘘──誰が得をして、誰が苦しむのか』集英社.(4.21.2019)

 官僚や政治家、とくに安倍晋三が垂れ流してきた、「働き方改革」関連法成立過程でのデマをつぶさに検証し、この法律が、はたらく側の健康やワークライフバランスを保障するものではなく、それどころか、勤労者をさらに長時間働かせ企業の内部留保蓄積に貢献させるべく成立したものであることがあらためてよくわかった。
今後警戒すべきは、「裁量労働制」や「高度プロフェッショナル制」の対象の斬新的なほぼ無限の拡大だろう。財界の代弁者たる安倍晋三らは必ずやる。
 なお、筆者は東京新聞・中日新聞論説委員。マスメディアがこぞって安倍政権に尻尾を振るなかで、こうしたデマの検証作業はとても意義がある。安倍も自公支持者も早くくたばってほしいものだが、国民があまりに愚かなので悪政はまだまだ続くのだろう。イヤな時代だ。

目次
プロローグ 裁量労働制をめぐる欺瞞
第1章 高度プロフェッショナル制度の罠
第2章 働き方改革の実相
第3章 日本的雇用の真の問題は何か
第4章 雇用制度を変えるべきか
第5章 海外事例から学ぶ
第6章 これからの働き方のヒント
エピローグ 幸せを基準とする働き方へ

第二次安倍政権発足直後から論議が始まり、二〇一八年六月に国会で関連法が成立した「働き方改革」。その流れをつぶさに取材してきた著者が、この間の経緯と問題点をまとめるとともに、「誰が、何のために『改革』を言い出したのか」を明らかにする。なぜ、労働問題を所管する厚労省ではなく、経営者サイドに立つ経産省主導で進んできたのか。問題の多い「高プロ」にこだわる理由は何か。副業やクラウドワークを推奨し、雇用システムを流動化させようとする狙いとは?「働き方改革」という耳当たりのいいフレーズの「実像」をコンパクトに理解できる一冊!

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