本書は、児童相談所のベテラン児童福祉司が、数多くの現場体験と、衆議院の委員会での議事録等にもとづき、児童虐待防止法について逐次わかりやすく解説し、虐待防止、被虐待児保護の第一線機関である児童損談所の現状、とくに問題点について詳しく検討した書物である。
本書で指摘されている、児童相談所職員の不足、専門性の欠如等の問題は、現在でも解消されておらず、虐待に関する通報、相談に十分対応できていないのが現状だ。
児童虐待防止法が施行されて20年。いったい国はなにをしてきたのか、腹立たしくなる。
雇用の劣悪化に加えて、シングルマザーが増加してきたにもかかわらず、児童福祉を貧しいままにしておけば、どのようなことが起きるのか、わかりそうなものである。
国を挙げて子どもをネグレクトする日本。これを「美しい国」などどほざいてたのだから、始末に負えない。
なぜ、わが子を自ら危険に陥れてしまうのか。深刻化する背景は、単に親を責めるだけでは捉えきれない。そこには、日本の貧困な福祉行政、親を取り巻く社会の急速な変容など、根本的な問題が潜んでいる。児童相談所に勤務し数々の相談に対応してきた著者が、その実態や解決の手がかりを、自らの体験をもとに語る。
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