
すでに読んでいた『親という名の暴力』を底本として編まれた書物なので、小石川さんが親、とくに母親から受けた精神的虐待については知っていたが、あらためて、被虐経験から生じる「境界性人格障がい」と鬱病の怖さに身のすくむ思いがする。
とりわけ読むのが辛かったのは、小石川さんが、自傷行為、自殺未遂、精神科病院への入退院を繰り返す部分であった。あまりの壮絶さに言葉を失う。奈落の底から生還したサバイバーが絞り出す言葉、文章は、限りなく重い。
本書は、被虐経験だけでなく、薬物、とくにベンゾジアゼピン系のそれの人格破壊作用の怖さも教えてくれる。わたしも、ベンゾジアゼピン系の薬物、ジアゼパムの過剰摂取で苦しんでいた(苦しんでいたことを知ったのは主治医が変わり摂取を止めたあとであった)ので、その怖さはよくわかる。ベンゾジアゼピン系薬物の怖さも含めて、小石川さんの凄まじい経験は広く知られてほしい。
人生を狂わせたのは、父母から浴びせられた罵りと蔑みの言葉だった!幼少期から全人格を否定され、親の呪縛のもとで成長した著者は心を病み、ついにエリートの座から転落してしまう!さらに、精神安定剤依存症と、患者の心の叫びを聞こうとしない精神医療によって、地獄の底へ―!いかに苦しみ、どのように脱出したか!?本書は、両親の精神的暴力と薬害による病と格闘した女医が渾身で綴った、壮絶極まりない闘病記である!!
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