小学館の叢書、『海と列島文化』の完結を記念して行われたシンポジウムの記録。
歴史学、民俗学の碩学たちが繰り広げる議論は、いま読んでも刺激的だ。
谷川健一、網野善彦、大林太良、宮田登、森浩一、特別報告・渡部忠世。日本=農業社会、百姓=農民、単一国家など、これまで「常識」とされてきた列島の社会像が覆る各界第一人者の白熱の討論の記録。
目次
パネラー紹介
はじめに 谷川健一
[第一部] 提論
列島社会の新たな実像を求めて 網野善彦
交易からみる列島社会像
非農業民のネットワーク
国家にかんりされてきた「米」
比較すべきこと 大林太良
水稲耕作文化地帯からの民俗比較
地域間事例の精緻な比較の必要性
世界史的視野からの現代民俗の解明
列島の民俗文化をどうとらえるか 宮田 登
漂着神と「世直し」の信仰
単一社会論を海の視点から見直す
貝と日本文化 森 浩一
古代人の豊かな知識と交流
古代人の技術と資源の開発
東アジアの人々がみた列島の社会
「貝の道」にみる北と南の交流
倭的日本人 谷川健一
昭和の東北大飢饉への問い
人間と大地の信頼関係
日本人の特性──「群れの思想」
[第二部] 討論
討論にむけて 司会 谷川健一
列島社会の多様性
日本は古代から農業社会か
米文化体系をどう考えるか
弥生時代のムラすがた
都市的機能をもつムラ、海と山のネットワーク
東アジアワールドシステムからみる日本文化
特別報告 稲と村を東南アジア島嶼域からみる 渡部忠世
日本人の特性と「島国論」
日本人の国際性と外国人の日本観
「群れの思想」と外者歓待
これから
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