3.11以降の原発メルトダウンというカタストロフを前にして、大澤流の思考実験はどこまで読ませるか、興味津々ではあったが、思考の楽しみを追体験する以上の収穫はなかった。圧倒的な現実の過酷さを前にして、語られる言葉がことごとく上滑りしむなしく響く。
それから、全体の4割近くを、1ページあたり一つの注釈で無駄に構成した、電子書籍の装丁が酷すぎる。
目次
序 夢よりも深い覚醒へ
1 倫理の不安―9・11と3・11の教訓
2 原子力という神
3 未来の他者はどこにいる?ここに!
4 神の国はあなたたちの中に
5 階級の召命
結 特異な社会契約
「不可能性の時代」に起きた3・11の二つの惨事は、私たちに何を問うているのか。日本で、脱原発が一向に進まないのはなぜなのか。そもそもなぜこれほど多数の原発が日本列島において建設されてきたのか。圧倒的な破局を内に秘めた社会を変えていくための方法とは?オリジナルな思考を続ける著者渾身の根源的な考察。
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