誰もが排除されずに包摂された社会、それを理想とするのに異を唱える者は少ないだろうが、非正規化が進む職場において、人間一人一人が必要とする承認のレベルに応じて、就労支援を行っていくというアイディアは、空理空論に終わりがちなインクルージョンの具体的方策として実に興味深い。個人の問題を社会的に解決していく仕掛けを考案するのが社会学の一つの効用であるとすれば、本書はその点において成功している。
目次
1 職場と居場所
ぶつかり合う居場所―リタイア男性とコミュニティケア
ひとりの居場所―高齢フリーターとバイト先 ほか
2 社会と居場所
第三の居場所―若者と仲間
『反撃カルチャー』(雨宮処凛著)書評 ほか
3 ジモトと居場所
ヤンキーの居場所―逸脱集団と地域社会
特別収録
企業社会vsJポップの30年―阿部真大インタビュー
ポスト3・11の居場所論
居場所とは、ぶつかり合いながら、時にはひとりで、時にはみんなでつくっていくもの―。フリーター、就活生からリタイア男性、逸脱集団まで、著者自身の居場所探し体験と重ね合わせ、誰もが気持ち良く働き、暮らしていくヒントを示す。
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