本書は、生活保護をくいものにする、暴力団による貧困ビジネスと、それと癒着する福祉事務所職員による殺人事件を軸に展開するサスペンス小説である。
主人公が、大学で社会福祉学を専攻した、女性の福祉事務所職員であることと、上記の筋立てから、退屈しないで楽しめた。
暴力団が介在した、生活保護不正受給の挿話は、とてもリアルで、生活保護の現場事情の一面がしっかり取材されているように感じた。
ベテランケースワーカーの山川が殺された。新人職員の牧野聡美は彼のあとを継ぎ、生活保護受給世帯を訪問し支援を行うことに。仕事熱心で人望も厚い山川だったが、訪問先のアパートが燃え、焼け跡から撲殺死体で発見されていた。聡美は、受給者を訪ねるうちに山川がヤクザと不適切な関係を持っていた可能性に気付くが…。生活保護の闇に迫る、渾身の社会派ミステリー!
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