太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン紛争、そしてソ連崩壊後に至るまでの、犬たちの壮大な群像劇。
爆音が苦手で知能が劣る犬たちが、実際にチームを組んで武装した人間たちを殲滅することなどあり得ない。しかし、そのことを忘れさせるほど、物語の迫真性とスピード感が半端ない。
久しぶりに、存分に楽しめる小説が読めた。異色の動物文学の傑作。
キスカ島に残された四頭の軍用犬北・正勇・勝・エクスプロージョン。彼らを始祖として交配と混血を繰りかえし繁殖した無数のイヌが国境も海峡も思想も越境し、“戦争の世紀=20世紀”を駆けぬける。炸裂する言葉のスピードと熱が衝撃的な、エンタテインメントと純文学の幸福なハイブリッド。文庫版あとがきとイヌ系図を新に収録。
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